昨今、動画を活用したマーケティング手法が人気を高めています。サービス動画やキャンペーン動画を制作したり、企業YouTubeアカウントを運用したり、さまざまなビジネス活用事例が見受けられます。
しかし実際には、「動画を投稿したのに、誰にも見てもらえない」「拡散の方法がわからない」と悩んでいる方は少なくありません。そこで今回は、YouTubeで自社のサービス動画やキャンペーン動画などを効果的に拡散する方法を紹介します。拡散性の高い動画作りのポイントも併せて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
動画マーケティングで「拡散」が重要である理由
そもそも、動画マーケティングにおいて「拡散」のプロセスはなぜ重要なのでしょうか?その答えはシンプルで、「動画が十分に拡散しなければ、何の効果も得られないから」です。
投稿しただけで拡散ができていない動画は、お店をオープンして宣伝もせずただお客さんを待つだけの状態と同じです。どんなに優れたサービス動画を作っても、拡散のノウハウが乏しく多くの人の目に触れる機会を作れなければ、効果的な動画マーケティングができているとは言えません。
逆に、「拡散」のノウハウがあれば、動画制作に充てられる予算が少なくても、多くの人に動画を見てもらうことは可能です。多くの人に動画を届け成果をあげるために、「拡散性の高い動画を制作すること」「効果的に動画を拡散すること」に関するノウハウを身につけましょう。
拡散性の高い動画作りのポイント
まずは、拡散性の高い動画を作るために知っておきたいポイントを5つ紹介しましょう。
- ・ターゲットを明確にする
- ・広告・セールス色を抑える
- ・手短で印象的な動画に仕上げる
- ・オリジナリティーを出す
- ・SEO最適化を実行する
ターゲットを明確にする
先ほど、「動画を多くの人に届けることが重要だ」とお伝えしました。しかし、動画を制作する時点においては、自社のターゲットにピンポイントで動画を届けることを意識することが大切です。
というのも、「すべての人に“良い動画だ”と思ってもらいたい」という認識で、ターゲットを明確にしないまま動画を制作してしまうと、結局誰の心にも響かない作品になってしまうからです。「万人受けする動画」と言うと聞こえこそ良いですが、実際には一部の消費者の心に響かせたり、深い共感を得たりするほうが拡散してもらえる可能性は高まります。
新商品や新サービスを売り出す際に明確な「ターゲット」「ペルソナ」が必要なように、動画にも明確なターゲット層が必要です。「どのような消費者に動画を届けたいのか」を明確にして、チームで共有した上で動画を制作するようにしましょう。
広告・セールス色を抑える
続いて紹介する拡散性の高い動画作りのポイントは、広告・セールス色を抑えることです。自社商品やサービスの良さを伝えることは大切ですが、ごり押し感が強く出すぎてしまうと、拡散されにくくなってしまうため注意が必要です。
例えば、商品をただ紹介するだけのテレビコマーシャルのような動画を見て「拡散したい!」と思う人はいませんよね。自社のサービス動画やブランディング動画を制作するにしても、視聴者に「有益だ」「おもしろい」「この発想はなかった」などと思ってもらえるコンテンツを目指すことが重要です。
手短で印象的な動画に仕上げる
続いて紹介するポイントは、手短で印象的な動画に仕上げることです。無駄にダラダラと長い動画だと、動画を見終えずに離脱する人が増えてしまいます。また、動画を見た後に何の印象も残らなければ、当然ながらその動画が拡散されることはないでしょう。
動画を制作する際は、多くを伝えることよりも、本当に伝えたいメッセージを手短にかつユニークな方法で伝えることを意識すると良いでしょう。
オリジナリティーを出す
拡散性の高い動画を制作するためには、「オリジナリティー」に富んだコンテンツに仕上げることが重要です。というのも、人気の動画や過去にバズった動画を真似するだけでは、拡散を狙うことは難しいでしょう。
「意外性」や「目新しさ」「ユニークさ」など、オリジナリティー溢れる動画に仕上げられれば、拡散される可能性はグンと高まります。動画の企画を考える際には、「これまでにない企画か」「似た動画がすでに公開されていないか」をじっくりとリサーチするといいでしょう。
SEO最適化を実行する
最後に、実際に動画を投稿する際にできる拡散性を高めるためのポイントを紹介します。
YouTube動画を多くの人に見てもらうためには、動画を制作・公開する際にSEO最適化を図ることが重要です。SEO対策をすることで、YouTube内の検索結果で動画を上位表示させることができ、自然とより多くの「拡散」のチャンスを獲得できるようになります。
YouTubeでSEO最適化を実行する方法はさまざまありますが、最低でも次の5つの対策をしておくことをおすすめします。
- ・魅力的なタイトルを作成する
- ・タイトルの最初に重要キーワードを配置する
- ・ディスクリプションを記載する
- ・動画に関連深い「タグ」を設定する
- ・テーマに沿ったカテゴリーを選択する
動画の内容を分析し、コンテンツにふさわしいタイトルやディスクリプション、タグ設定などを行うことで、より多くのユーザーに動画を届けられるようになります。
制作したYouTube動画を拡散する方法
ここまでで、拡散されやすい動画を制作するポイントについてお伝えしました。そこで次に、動画を拡散してより多くの人に見てもらう方法を3つ紹介します。
- ・インフルエンサーを起用する
- ・メディアで紹介してもらう
- ・SNSを活用する
インフルエンサーを起用する
動画を拡散する方法の一つ目は、インフルエンサーや著名人を起用する方法です。YouTubeやTwitter、Instagramなど、さまざまなプラットフォームで活躍するインフルエンサーは、大きな「影響力」を持っています。
そんなインフルエンサーに動画を紹介してもらえば、拡散を狙えます。また、自社のターゲット層をフォロワーとして獲得しているインフルエンサーを選定すれば、さらに高い拡散効果が見込めます。
ただし、インフルエンサーに動画の宣伝を依頼するのには費用がかかります。場合によっては、自社商品・サービスそのものをインフルエンサーに宣伝してもらう「インフルエンサーマーケティング」の方が、費用対効果が高まることがあるため注意が必要です。
インフルエンサーを起用して動画を宣伝・拡散する際は、動画を拡散する「目的」や「効果」などをしっかりと検討するようにしましょう。
メディアで紹介してもらう
YouTube動画をWebメディアで紹介してもらうことで、拡散のチャンスを高めることができます。動画の公開を「最新ニュース」として記事で取り上げてもらうことができれば、「拡散」を狙えるでしょう。
ただし、動画を最新ニュースとして取り上げてもらうには、ニュースやトレンドなどの要素がなければなりません。動画の内容によっては、掲載が難しいことも考えられます。
最新ニュースとしての掲載が難しい場合は、「PR記事」として掲載を依頼するのも良いでしょう。費用こそ掛かりますが、話題性を生み出すWebメディアの掲載は拡散に効果的です。
SNSを活用する
続いて紹介するのは、SNSを活用する方法です。この方法が最も手軽かつ高い拡散効果が見込めます。
SNSを活用して動画を拡散するのには、大きく分けて2つの手法があります。
一つ目は、SNSにて自社アカウントを運用し、動画を宣伝する方法です。お金をかけずに高い拡散力が期待できるというメリットがありますが、何千万人というユーザーがいるSNSで注目を集めるためには、すでに一定数のフォロワーを獲得している必要があります。
また、ゼロからSNSアカウントの運用を始める場合、動画の宣伝・拡散に必要なフォロワーを獲得するまでに長い時間と運用の工数を必要とします。そのため、「長いスパンで動画を宣伝できるプラットフォームを確立していきたい」という方におすすめです。
二つ目は、SNS広告を出稿する方法です。TwitterやInstagram、TikTokなどの主要SNSには、ビジネスが広告を出稿できる機能が備わっています。これらを利用することで、自社の知名度やフォロワー数などにかかわらず、手軽に動画を多くの人に届けることができます。
細かいターゲティングが可能なSNS広告は、自社のターゲット層に近いユーザーに動画を届ける方法として効果的ですが、広告を出すにはある程度のまとまった予算が必要です。動画の制作・プロモーションに充てられる予算がある場合は、SNS広告の利用がおすすめです。
YouTube動画の拡散に効果的なSNSと拡散方法
動画を拡散するには「SNSの活用」が効果的だとお伝えしました。しかし、中には「どのSNSが拡散に向いているの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
ここでは、YouTube動画の拡散に最適な3つのSNSを、特徴と実際の拡散方法と併せて紹介します。これらのSNSを活用すれば、動画を見たユーザーによる二次拡散や三次拡散も狙えます。
TikTok
TikTokは、15秒〜60秒の短尺動画の視聴・投稿が可能なSNSです。動画の尺の長さこそ違え、YouTubeとTikTokは同じ「動画視聴・投稿」サービスであることから、相性が抜群です。
YouTube動画の冒頭部分や一番面白い部分のハイライトをTikTokに投稿することで、動画の拡散が狙えます。TikTokでは、1分以上の動画を投稿することはできませんが、動画の一部だけでも拡散されれば、動画本編の視聴者数も増加します。
TikTokで「続きはYouTubeで」と記載しておけば、視聴者をYouTube動画へと誘導することも可能です。TikTokで動画を拡散する場合、続きが見たくなる短尺の動画へと編集することをおすすめします。
Twitterでは、ツイートに動画のリンクを挿入するだけで、動画のサムネイル画像をタイムラインに流せます。そのため、とても手軽かつ効果的に動画の宣伝ができます。また、ユーザーは表示されたサムネイルをタップするだけで動画を視聴できるため、再生までのハードルも下がります。
Twitterは「文字>画像・動画」のSNSなので、中には「動画の拡散には向かないのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、実際にはYouTube動画との相性が良いSNSの一つです。文字だけの投稿が多くを占めるプラットフォームだからこそ、動画に注目が集まりやすいと考えられます。
動画をついクリックしたくなるような文章とともに投稿すれば、さらに効果的な拡散が狙えるでしょう。Twitterにはリツイート機能や引用リツイート機能が備わっており、他のSNSと比較しても「拡散性」が強いため、ぜひとも積極的に活用していきたいSNSの一つです。
Instagramというと「画像」中心のSNSというイメージが強いですが、実は「ストーリーズ」や「reels(リールズ)」、「IGTV(インスタグラムTV)」など動画に特化した機能も充実しています。
TikTokと同様に、YouTube動画の一部やハイライトを流すことで、動画の効果的な拡散が狙えます。Twitterと比べると拡散力は比較的弱いですが、「いいね!」や「コメント」などのエンゲージメントを多く獲得できれば、発見タブ(おすすめ)欄に掲載されるなど、十分な拡散効果が期待できます。
まとめ
消費者の心に響く動画制作と「拡散」のノウハウがあれば、予算や会社の知名度にかかわらず、多くの人に動画を見てもらうことは十分に可能です。「動画を公開したけれど、なかなか成果が上がらない」と悩んでいるのであれば、ぜひこの記事で紹介した拡散方法を試してみてください。
また、動画をゼロから作る際は、「ターゲットを明確にする」「オリジナリティーを出す」などのポイントを押さえることで、拡散の可能性を高めることが可能です。
当社GROVEでは、お客様の目的や要望に合わせてYouTubeを含むSNSマーケティングに関するノウハウやハウツーを提供しています。SNS・動画マーケティングを始めるか迷っている方や、「動画を作ってみたものの、うまくいっていない」という方はぜひ当社GROVEに問い合わせください。