近年、Webマーケティングと並行してSNSマーケティングが大きく成長を重ねています。SNSは無料で発信可能なことに加えて、他の広告媒体ではリーチできないユーザーに対してアプローチが可能ということもあり、各企業が各SNSで公式アカウントを作成し定期的に情報を発信しています。
SNSマーケティングが確立したことで、Webマーケティングとの併用が求められています。WebマーケティングとSNSマーケティングをリンクさせることでさらなる向上効果につながりますが、マーケティング担当者であってもSNSによる効果をSEOまで活かしている方はさほど多くはありません。
SEOもしくはSNSどちらかで手が一杯になり、両方の活用ができていないケースがほとんどです。今回は、あまり知られていないSNSとSEOの関係性・効果について解説していきます。
目次
SNSはSEO(Google/Yahoo!)にどのような影響を与えるのか?
SEOを簡潔に説明すると、検索エンジン(主にGoogle・Yahoo!)においてキーワードを検索した際に検索結果に上位表示させることです。上位表示させるためにサイト内のコンテンツ・キーワードの最適化に加えて、運営元の信頼性・権威性などさまざまな要素を組み合わせたロジックを理解した上での施策が必要となります。
Googleが求めているロジックに沿うことはもちろんのこと、ユーザーの検索結果に合わせたサイトのクオリティであることが必要となります。
では、SNSで起こすアクション(投稿・いいね・コメント・フォロー等)はSEOにどのように影響を与えているのでしょうか?
結論からお伝えすると、SNSでのアクションは、SEOに直接的な影響を与えていません。つまり、SNSを上手く活用していてもSEOに効果が出て上位検索につながるといったようなことは、直接的には発生しません。
SNSマーケティングを伸ばすためには、なぜここまで普及しているSNSが直接的にSEOに影響を与えていないのかという背景と、どのような方法であれば影響を与えるのかを理解する必要があります。
SNSと検索エンジン(Google/Yahoo!)の関係性
まず、ユーザー視点で考えると、現在はSNSも検索エンジンも情報を取得するためのツールとなっています。何か調べたいものがあると、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを利用することが一般的ですが、今では若年層を中心に調べたいカテゴリによってはSNSで検索する比率も上がっています。
例えば、リアルタイム性の高いものであればTwitter、アパレルや美容ブランドであればInstagramで口コミを確認するといった形です。
このように、検索エンジンとSNSは、それぞれが検索するプラットフォームではありますが、SNSは情報発信のプラットフォームでもあります。では、この情報発信ツールでもあるSNSが、SEOに与える効果について解説していきます。
直接的な影響
結論として、SNSはSEO対策に直接影響がないとGoogleより明示されています。
SEOのロジックから説明すると、上位検索される要素の一つに「被リンク」が張られているサイトの質と数が挙げられます。質(クオリティ)の高い外部サイトにてリンクが張られているサイトは価値が高いと評価され、その数が多ければ多いほど、上位検索に表示されやすくなるというものです。
では、リンクが含まれたSNSの投稿が拡散され、インフルエンサーを中心に莫大な投稿数になったとします。
被リンクの数が多いという点からSEO対策になる思われがちですが、前述の通り、実は直接的なSEO対策にはつながりません。なぜなら、SNSでどれだけ投稿・いいね・コメントされても、InstagramやTwitterなどのSNSのリンクには検索エンジンへの評価の連携を無効化するタグ(nofollow)が埋め込まれているからです。
検索エンジン側は、SNSでどれだけ投稿されたりいいねを獲得したりしても、一切情報を把握できないため、検索エンジン側は被リンクの数を感知できない仕様になっています。そのため、SNSで被リンクが増えたとしてもSEO対策にはつながらないのです。
間接的な影響
SNSでの被リンク増加につながる施策(投稿・いいね等)は、直接的なSEO効果にはつながりませんが、間接的なSEO効果にはつながります。
あくまで検索エンジンがSNS上にあるリンク量を感知できていないだけで、SNS内では実際に拡散され、話題性を確保しています。つまり、投稿を見ていいねやコメント、さらに投稿を見たユーザー自身でも投稿して拡散することでフォロワーには確実にリーチできています。
リーチから投稿内のリンクがクリックされることで、サイトへのアクセス数は増加します。そうすることで、直接的なSEO対策にはならなくても、SNSで拡散されることで、最終的には上位検索につながる要素を満たすことが可能なのです。
SEO業界では、SNSによって被リンクの価値が下落すると話題になったことがありますが、結局のところ、人が集まっているSNSで話題性を確保することで拡散されることにつながり、より多くの人にリーチすることが可能です。そうすることで、SNSをフックとして自然リンクを増やしていくことができ、サイトの質を高める、つまりSEO対策につながることとなるのです。
SNSで話題性を持つことは、Webマーケティングにも大きく活かせると言える一例になります。検索エンジンのロジックに関係なく、人が集まっていることろで話題性を確保することが非常に重要だと言えます。
SNSでの拡散によるSEO(Google/Yahoo!)への効果
前述した通り、SNSは直接SEOに効果を与えませんが、拡散されたり話題になったりすることで、間接的に効果を与えます。効果を生み出すためには、SNSを通して「サイテーション」を獲得することが重要です。
サイテーションとは、インターネット上で企業名やサイト名、サービス・商品名といった名詞が第三者のサイトにて引用や言及されることを指します。サイテーションが高いということがつまり、良質なページである認識され結果的にSEO対策につながります。
名詞が引用されることは、被リンクよりハードルが低いと言えます。例えば、大企業の知名度の高い商品ページは明確なSEO対策をしていなくても、知名度から外部サイトで多く引用・言及され上位表示されているといった形です。
このサイテーションが、SNSがSEOに与える大きな要因だと言えます。ここでは、SNSでサイテーションを生みだす流れと注意点について解説していきます。
SNSで拡散した後の流れ
SNSの投稿からどのようにサイテーションを生み出すかというと、まずは拡散されることがキーポイントです。
拡散されることで、多くの人の目に触れてSNS以外の外部サイトやブログ、最近ではnoteといった有料販売もできるブログツールなどで引用されていきます。そうなると、サイテーションが集まるだけでなく、被リンクも数も大幅に増えてSEO対策につながっていきます。
SEO対策での注意点
SEO対策のためにSNSを通してサイテーションを集める際には、注意点があります。それは、良質なイメージで拡散されることです。
SNSは性質上、悪質や批判を集めやすい投稿が拡散され話題性につながる、つまり炎上が起こることが多々あります。炎上によってサイテーションが集まったとしても、それは良質であることから生まれたサイテーションではなく、マイナスのイメージに基づいて生まれているため、結果的にブランディングにマイナスな影響を与えてしまうケースがあります。
そのため、SNSで投稿する上では拡散されることだけを重視するだけでなく、炎上を起こさないように確認・管理が必要になります。最近では、ただの炎上ではなく、ホワイト炎上といった自虐を含んだプラスなイメージにつながる炎上を狙ったSNS運用を進める企業も多く見られるため、拡散とSNSユーザーの心理を意識した運用がキモだと言えます。
SEO(Google/Yahoo!)に効果をもたらすためのSNSの活用方法
SNSによってサイテーションを集めることがSEO対策につながるメカニズムについて説明しましたが、そもそもSNSで拡散される、話題になるようにするにはどのように運用すれば良いでしょうか?
SEO対策全般にも言えますが、SNSも同様に簡単に話題性を高めることはできません。継続的かつユーザーが求めている良質なコンテンツを発信していくことが必要です。
では、SNSでも話題性の集めやすいInstagram、Twitterでどのような運用をすれば良いのかについて、具体的に解説していきましょう。
結論からお伝えすると、Instagramでの話題性の集め方は、非常に地道な作業が必要です。インフルエンサーと呼ばれる方々も、急にフォロワーが増えたわけではなく、数ヶ月~数年間通して確実にフォロワーを増やしてSNSで話題性を集められるアカウントを構築しています。
では、話題性を集めるためにInstagramで何に気をつけて運用すれば良いでしょうか?ポイントは次の3点です。
- ・良質なコンテンツの投稿
- ・ハッシュタグの選定
- ・メンションの活用
良質なコンテンツの投稿
フォロワーを増やすためには、ユーザーが求めている良質なコンテンツを発信することが原則です。SEO対策でも同様に、良質なページであれば上位検索表示につながるとされています。
企業の商品・サービス内容に基づいて継続的にフォロワーに刺さる写真投稿・ストーリーを発信していくことで、フォロワーからのエンゲージメント率が高まります。
ハッシュタグの選定
投稿する上で、ハッシュタグを選定することは非常に重要です。企業の商品・サービスに関連するワードの選定を行うことで、投稿の刺さりやすいユーザーに投稿を見つけてもらうことが可能だからです。
良質な投稿であってもフォロワーに届いていなければ話題になりませんが、フォロワーに届く工夫を継続的に改善していくことで、一つひとつの投稿の価値が高まります。
メンションの活用
フォロワーを増やすかつ、エンゲージメント率を高めるには、メンションを投稿時に使用することが効果的です。フォロワーをメンションすることで自アカウントをメンションしてもらえる可能性があるため、フォロワーのフォロワーへのリーチが可能となります。
企業アカウントであればブランディング次第で未対応でも問題ありませんが、個人アカウントであれば長期的にSEO対策を考えてメンションを早い段階で使用していくことで、サイテーション獲得までの近道が可能です。
また、どのSNSにも共通することですが、アカウントのプロフィールや投稿にサイトのURLを設置することが必要です。各投稿からサイトに遷移し流入数も上がることに加えてコピーされて被リンク増加にもつながるため、URL設置は必須対応と言えます。
Instagramと同様に、Twitterも継続的かつ適切な運用が求められます。Instagramと大きく異なる点としては、SNSの中で最も拡散力が高いという点です。
フォロワーの少ない投稿であってもTwitterユーザーに投稿内容が刺されば、リツイート・いいねが爆発的に増大し、バズらせることが可能です。単体でバズったとしてもあくまで一過性のものであるためSEO対策にはつながりませんが、バズリを目的に継続的に運用することでサイテーションが少しずつ集まっていくことで、結果的にSEO対策につながります。
Twitterでサイテーションを獲得する上での具体的なポイントは、タイムライン上でスルーされない投稿を続けることです。文章がメインの投稿となるため、商品・サービスに毎回触れて投稿するだけではなく、リアルタイムのトレンドを意識しながら投稿していくことがポイントです。
また、投稿にインパクト感のある画像を付けることでユーザーの視界に留まらせることが可能です。企業アカウントとして運用するのであれば、炎上には注意を払いながらトレンドを意識しつつ、定期的に投稿し続けることがサイテーション獲得につながります。
SNS内における検索上位表示にされる仕組み
GoogleやYahoo!といった検索エンジンとは別に、各SNSにおいても検索ボックスが設置されています。そして、InstagramやTwitterでは、ハッシュタグや投稿内のメッセージ、いいねなど主に反応率の高く話題になっている投稿が上位表示される仕様となっています。
YouTubeではVSEO(Video Search Engine Optimization)とも呼ばれており、Googleの検索エンジンほど細かいアルゴリズムではありませんが、今後対策が強化されている分野だと言われています。特に注目が集まっているVSEOについて解説していきましょう。
YouTube
この10年でYouTubeに投稿される動画数は爆発的に増加し、キーワードに対する検索表示結果への需要が高まっています。まだVSEOに取り組んでいるところは少なく、強化することで再生回数の増加、および自社サイトへの流入が見込めます。
VSEO対策としては、タイトル・説明文にユーザーのニーズがあるキーワード最適化した上で入れ込むことです。一般的に見られるのは関連しそうなキーワードを闇雲に入れてしまうケースですが、動画を視聴しているユーザーの属性を理解してニーズを解析した上でキーワードを最適化することで上位表示につながります。
また、動画をカテゴライズ化するタグの最適化も必要な対策です。動画視聴後の目的に合わせてタグを設置することで、より効果的な施策となります。
まとめ
SNSの投稿は被リンクが検知されないという観点から、直接的なSEO対策にはなりませんが、SNSで話題を集めることで、サイテーションの獲得につながりSEO対策となります。
SEO対策は、SNS運用と同じく長期的に良質なコンテンツを発信し続けることがポイントです。各SNSの属性とフォロワーの属性を理解した上で、継続的にSNS運用を続けることがSNSを通したSEO対策と言えます。
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