CPEは、CPIやCPCに比べて聞き馴染みがない用語かもしれません。「CPEということばは聞いたことがあるけれど、詳しいことはわからない」「CPEとはどのようなときに使われる指標?」という方も少なくないでしょう。
しかし、CPE広告はこれからマーケティング活動をしていく企業におすすめの広告の一つです。そのため、マーケティング担当者は知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、CPEとCPE広告について解説します。メリットやデメリットも含めて紹介するので、マーケティング活動に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
目次
CPEとはどんな指標?
CPEは、「Cost Per Engagement」の頭文字をとったもので、1エンゲージメントあたりのコストを表す指標です。特に、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアの広告や、Google 広告のエンゲージメント広告を利用した際に用います。
CPEの算出は、発生したコストをエンゲージメント数で割ったものです。
- CPE = (発生した広告コスト)÷(エンゲージメント数)
算出は簡単ですが、エンゲージメントが何か戸惑ってしまう人もいるでしょう。
エンゲージメントを直訳すると、「約束」や「婚約」などの意味になりますが、マーケティングにおいては「つながり」や「反応」を意味します。CPEは、ユーザーが企業やブランド、商品に対してどのくらい愛着を持っているか、また信頼しているかを測る指標と言えるでしょう。
ただし、エンゲージメントの定義は、次項において詳しく解説しますが、広告商品によって異なるため注意が必要です。どの広告に出すかによって、エンゲージメントは変わるため、媒体による効果を知っておかなくてはなりません。
エンゲージメントとは
エンゲージメントには、共通した明確な定義はありません。なぜなら、広告商品によってエンゲージメントは異なるからです。しかし、SNSの「お気に入り」「返信」「リツイート」「フォロー」「個人情報の入力」「いいね!」などがエンゲージメントとして計測されます。
企業の認知度や売上アップには、ユーザーから共感を得ることが重要なポイントとなり、エンゲージメントが重要なものとなりました。ここでは、主な媒体ごとのエンゲージメントの基準を詳しく解説していきましょう。
主な媒体ごとのエンゲージメントの基準
今回は、以下の媒体のエンゲージメント基準を紹介します。
Google 広告
Google広告の場合、広告に2秒間カーソルを合わせたり、広告をスワイプやタップしたりすることを、「ユーザーが積極的に広告に関与、行動した=エンゲージメント」と定義しています。
また、Googleでは、次の項目がどのように操作されたかでエンゲージメントを把握するレポートも作成可能です。
- ・ライトボックス広告
- ・動画広告
- ・アプリ訴求動画広告
- ・ショーケース広告
具体的には、下記の行動をしたときにエンゲージメントが発生したとカウントしています。
- ・ライトボックス広告:広告を展開
- ・動画広告:外部サイトへの移動せずに動画再生
- ・アプリ訴求動画広告:動画広告を10秒間視聴、または動画広告をクリック
- ・ショーケース広告:広告内の商品をクリック
Google広告に対して、何らかの興味を示したらエンゲージメントが発生したと判断されますが、Google広告の種類ごとでも定義が変わってくるので注意が必要です。
Twitterにおけるエンゲージメントは、「ツイートに対するユーザーのアクションを示す指標」と定義されています。具体的には、投稿したツイートに対してユーザーが共感や好感を覚えたときに行った「返信」や「いいね!」、「リツイート」や「フォロー」といったアクションがどのくらいあったか、つまり「ツイートに対するユーザーが起こした行動」です。
Twitterでのツイートごとに「エンゲージメント総数」として、下記項目を確認できます。
- ・リンクのクリック数:ツイート内に添付されている画像やビデオがクリックされた回数
- ・詳細のクリック数:リツイートなどの際に、ツイート内に埋め込まれているコンテンツがクリックされた回数
- ・いいね:ツイートをいいねした回数
ユーザーがツイートに対してどのような行動をしたか、Twitterではこのユーザーによる行動をエンゲージメントとしていますので、インプレッションだけでなくエンゲージメントも気にすると良いでしょう。
Facebookのエンゲージメントは、「Facebookページの投稿に対するユーザーの反応の指標」と定義されています。具体的には、Facebookページに投稿した内容に対して、ユーザーからの「いいね!」や「投稿のシェア」、「投稿に対するコメント」といった反応がどのくらいあったのか、つまり「Facebookページに対してユーザーが起こした行動」です。
企業でもFacebookページを運用するケースが増えてきましたが、このFacebookページの管理画面でエンゲージメントを確認できます。具体的な項目は以下のとおりです。
- ・リアクション:投稿にいいねされた数
- ・コメント:投稿に対するコメント数
- ・シェア:投稿がシェアされた数
- ・リンクのクリック:投稿にあったリンクへのクリック数
それぞれアクションがあるとカウントされます。
投稿によって、エンゲージメントの良いものと悪いものが出てくるでしょう。そして、なぜ反応が良かったのか、逆に悪かったのかを考えて、今後の投稿に活かしていくと、より効果が高くなります。
CPE広告とは?
CPE広告とは、エンゲージメントに対してコストがかかる広告のことです。CPE広告ではなく、エンゲージメント課金広告という場合もあり、多くがSNSでのシェアやいいね、添付画像やリンククリック、コメントなど、広告に対してユーザーからのアクションが起きたときに課金されます。
そのため、広告出稿ではなく、エンゲージメントを基準に課金されるため、「興味を持ってもらいたい」「ユーザーとコミュニケーションを取りたい」という目的に出稿を検討するといいでしょう。
一方で、最終的な購入などのコンバージョンには適していないため、その場合は違う広告出稿を検討してください。
CPE広告のメリット
CPE広告には次のようなメリットがあります。
- ・費用がかかるのは成果が発生した場合だけ
- ・質の高いユーザーを獲得できる
どのようなことか詳しく見てみましょう。
費用がかかるのは成果が発生した場合だけ
CPE広告は、エンゲージメントが発生した場合だけ費用が発生します。広告が表示されるだけであれば無課金なので、仮に何千回表示されても、エンゲージメントがなければ無料です。エンゲージメントに該当するユーザーの行動が発生しない限り課金対象にはならないため、安心して出稿できますね。
また、Twitter広告の場合、リツイートの形でエンゲージメントが発生したときに課金対象となるのは、1人のユーザーが最初に行ったリツイートのみです。連鎖的に発生する二次拡散や、同一ユーザーの二度目以降のリツイートは課金対象になりません。そのため、広告出稿コストを大きく抑えられるでしょう。
そのほかにも、入札単価の上限を設定も可能なので、広告単価高騰を抑えられます。
質の高いユーザーを獲得できる
CPE広告を出稿すると、質の高いユーザーの獲得につながります。これは、ユーザーが能動的に閲覧する広告を作成できるため、ただクリックをするだけでなく、実際に興味あるユーザーにもリーチできるからです。
CPE広告からシェアやリツイートなどのアクションがあれば、さらに波及するのがSNSの良いところ。まだリーチしていない興味のあるユーザーに届く可能性もあるため、質の高いユーザーを獲得できる可能性も高まります。
CPE広告のデメリット
CPE広告のデメリットは、最終的な購入といったコンバージョンにつながるまで時間がかかることが挙げられます。「いいね!」などのユーザー行動をエンゲージメントとし、それを成果と定義しているため、すぐに売り上げに直結させたい場合は、CPE広告ではなく別の手段を検討した方が良いでしょう。
CPE広告の成果は低めに設定されています。多くの人に興味を持ってもらうことが目的なので、短期間で莫大な成果があがる可能性は高くありません。CPE広告以外の手法と一緒に活用していくと、さらに効果があると考えてください。
また、CPE広告を取り扱っている媒体がまだ限定的なので、選べる出稿先が少ないこともデメリットです。SNSを中心とした媒体のみで、たとえば雑誌やテレビ媒体などでは、CPEの指標を取るのも難しいのが現状です。
インターネットを中心としたマーケティングであれば手法として取り入れられますが、それ以外を中心に考えている場合は活用できないと考えた方が良いでしょう。さらに、出稿できる媒体によってもエンゲージメントが違います。どの目的にするかで媒体選定も変わってくることはしっかり確認した上で選ぶようにしてください。
まとめ
CPEとCPE広告について解説しました。CPEは、1エンゲージメントあたりのコストを表す指標で、特にSNS広告で活用されます。
TwitterやFacebookなどの「いいね!」やシェア、リツイートなどのユーザーの行動でカウントされていくもので、多くのユーザーとつながりたい、コミュニケーションを取りたいといった目的を果たすために活用すると良いでしょう。
興味がある人であれば何らかのアクションがあるため、エンゲージメントが少ない投稿は、何が問題だったかを反省する指標にもできます。なるべく多くの人に興味を持ってもらう投稿にするにはどうすべきか、CPEを見ながら検討してください。
また、CPE広告は、GoogleやTwitter、Facebookにもあり、エンゲージメントごとに課金されていくため、広告枠を購入するよりも費用を抑えて出稿できます。上限を決めて出稿もできるので、広告コストを抑えたいときは有効です。
しかし、媒体によってエンゲージメントが変わるため、どのエンゲージメントを達成したいかを媒体特性を見極めて、出稿を検討しなければなりません。直接の購入に結びつくまでは時間を要するので、すぐ成果を求める場合は向いていません。
CPEは、これからのマーケティング担当者にとって重要な指標の一つです。しっかり理解して、見ていく癖をつけていきましょう。
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