ポッドキャストマーケティングとは?具体的なやり方や企業事例を解説

「若年層の利用率に限っては、YouTubeよりも高い」という調査結果も出ている「ポッドキャスト」。そんなポッドキャストを用いてブランディングや認知拡大を図るマーケティング手法が「ポッドキャストマーケティング」です。今回はポッドキャストマーケティングに関心がある方に向け、同マーケティング手法の概要ややり方、市場概要、企業事例について解説していきます。

ポッドキャストマーケティングとは?

ポッドキャストマーケティングとは、ポッドキャスト上で音声コンテンツを配信することにより、ブランドの認知拡大やブランディングなどを行うマーケティング手法です。「ながら聴き」に適しており、かつコンテンツ資産の再利用も可能なポッドキャストというメディアを用いていることもあり、昨今注目を集めている手法になります。

例えば、文具メーカーが社員インタビューを通じて最新文具の紹介をしたり、ソフトウェアメーカーがクライアント活用事例を伝えたりと、さまざまな音声コンテンツを用いて、マーケティングがなされます。

ポッドキャストマーケティングの3つのやり方

ここでは、具体的なポッドキャストマーケティングの3つのやり方を整理していきます。

自社でコンテンツを制作・配信する

自社でポッドキャストの音声コンテンツを制作・配信することで、製品・サービスの認知拡大やブランディングを図る方法です。自社で出演者や台本、配信するプラットフォームなどを決め、収録・編集していきます。自社ですべて完結するのが難しい場合には、例えばポッドキャスト制作代行会社に依頼するのも一つの方法です。

なお、ポッドキャストはスマホ1台とアプリ1つあれば、コンテンツの制作~編集~配信を完結させることができるため、最初は本配信前に簡単なコンテンツをお試しで作成してみても良いでしょう。

広告出稿をする

視聴数の高いポッドキャストへ広告出稿し、製品・サービスを紹介する方法です。広告はコンテンツ開始前・コンテンツ途中・コンテンツ終了後の3つのタイミングで差し込まれます。配信日時や配信するデバイスの種類など、配信ユーザーのセグメントも可能なため、ターゲットに対して効果的に目的の内容を訴求することが可能です。

他ポッドキャストにゲスト出演する

他社が運営しているポッドキャストに自社代表や社員がゲスト出演し、視聴者へ製品・サービスや自社について訴求する方法もあります。自社でコンテンツを制作したり、広告出稿をする必要がないため、負担が少なくて済む点がメリットです。ただし、ポッドキャストを運営しており、かつゲスト出演を許諾してくれる配信主を見つける必要がある点は頭に入れておきましょう。

ポッドキャストの市場概要

ポッドキャストの市場概要については、株式会社オトナルと株式会社朝日新聞社が、2022年12月に共同で実施した、「PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査2022」に詳しく記載されています。以下、調査結果を抜粋してみました。

項目 結果
国内ポッドキャストユーザー数 推定1,680万人
ポッドキャストを聴く頻度
  • ほぼ毎日:3.4%
  • 週3~4回:2.6%
  • 週1~2回:4.5% 
  • 月数回:3.6% 
  • 月1回:1.6% 
  • ほとんど聴かない:20.7%
  • 聴かない:63.7%
年代別に占めるポッドキャスト利用率
  • 15~29歳:28.1%
  • 30代:15.9%
  • 40代:12.9%
  • 50代:11.2%
  • 60代:8.9%
  • 全体:15.7%
ポッドキャストユーザーの性別
  • 男性:57.8%
  • 女性:42.2%
ポッドキャストユーザーの年齢
  • 15~29歳:39.6%
  • 30代:17.2%
  • 40代:17.9%
  • 50代:14.8%
  • 60代:10.5%
ポッドキャストの聴取プラットフォーム
  • Spotify:41.8%
  • Apple Podcast:22.2%
  • Amazon Music:19.8%
  • Webサイトから:15.4% 
  • Google Podcasts:9.9%
  • スマートスピーカー:7.7%

YouTubeユーザーとの年齢・性別の比較 15~29歳比率はYouTubeよりも15%高い

出典:オトナル、朝日新聞社と共同で「ポッドキャスト国内利用実態調査」の結果を公開。国内ユーザーは1,680万人に|PR TIMES

国内ポッドキャストユーザー数は、15~69歳の各年齢層の人口およびインターネット利用率から算出した推定の数字ではありますが、推定1,680万人と、日本人の約7人に1人はポッドキャストを利用している計算になります。

年齢別で見てみると、ポッドキャストユーザーのうち約4割は15~29歳の若年層であることも明らかになっています。またYouTubeユーザーと比較すると、ポッドキャストは若年層の利用比率が高く、将来性のある市場と見ることができるでしょう。

また、株式会社デジタルインファクトが2020年2~3月に実施した調査によると、デジタル音声広告市場は2023年245億円から2025年には420億円規模になるとされています。このデータからもポッドキャストマーケティングの将来性の高さが伺えるでしょう。

参考:デジタル音声広告の市場規模は2020年に16億円、2025年には420億円に|株式会社デジタルインファクト

ポッドキャストマーケティング事例

最後にポッドキャストマーケティングの具体的な事例を見ていきましょう。

マクドナルド

マクドナルドは「The Sauce」という短い3部構成のポッドキャストを2018年にリリースしました。同ポッドキャストでは、一部の店舗で提供された限定ソースが急速に人気を博し、短期間で完売した事件について語られています。視聴者は一般的には聞くことができない“企業の内部事情”を聞くことができ、マクドナルドのブランドストーリーをより深く理解する機会となりました。

Slack

Slackは「Work in Progress」というポッドキャストを配信していました。さまざまな職業について話し合い、労働者の経験や働くことの意味について探求するポッドキャストです。Slackの製品と直接は関連性がないと思われるかもしれませんが、同ポッドキャストを聴くことで、視聴者は働き方を考え直すための重要なきっかけとなります。働き方を改革するコミュニケーションツールでもあるSlackとの親和性は非常に高いコンテンツと言えるでしょう。

まとめ

今後も将来性の高いポッドキャストを用いたポッドキャストマーケティングは、マクドナルドやSlackを含むさまざまな企業が採用しているマーケティング手法です。YouTubeと比較しても若年層の利用が多いポッドキャストは、若いユーザーへの製品・サービス訴求にも有効です。
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