SNSの利用者が増加の一途をたどる中、SNSをビジネスに活用する企業が増えています。しかし、実際には「SNSマーケティングを導入したところ、思うような結果が得られず苦戦している」という方が多いのではないでしょうか?
というのも、SNSマーケティングで成果をあげるためには、入念に分析をして改善につなげることが欠かせません。そこで、この記事では、SNSで分析すべき指標や分析ツールの選び方を紹介した後に、実際におすすめのSNS分析ツールを15個紹介します。
目次
SNSで分析すべき3つの指標と分析方法
まず、「SNSをどのように分析したら良いかわからない」という方に向けて、SNSで分析すべき3つの指標とそれぞれの分析方法を紹介します。
- ・フォロワー数
- ・フォロワーの属性
- ・エンゲージメント率
フォロワー数
SNS分析において、「フォロワー数」は一番重要な指標と言っても過言ではありません。というのも、フォロワー数は企業アカウントの成果にダイレクトに影響するからです。
影響力やSNS運用による効果は、フォロワー数に比例して大きくなります。そのため、SNSマーケティングを行う企業多くは「フォロワー数」をKPI(重要業績評価指標)として設定しています。
具体的には、次のような点を中心に分析すると良いでしょう。
- ・どんな投稿を機にフォロワーが増加しているか
- ・フォロワーが急激に増加した時期はあるか、またその原因は何か
「フォロワー数」という数字だけを見て満足するのではなく、増加率やその背景などを考察することが重要です。
フォロワーの属性
次に確認しておきたいのが、「フォロワーの属性」です。
フォロワー分析というと、つい「数」ばかり気に掛けてしまいがちです。しかし、実際にはフォロワーの男女比や年齢層などといった属性を的確に把握することも同じくらい重要です。
フォロワーの属性をしっかりと把握することにより、フォロワーの心に刺さる投稿ができるようになります。
エンゲージメント率
SNS分析において欠かせない3つ目の指標は、エンゲージメント率です。
エンゲージメント率とは、SNS上の投稿に対してどのくらいのリアクションがあったかを示す指標のことです。ここでいうリアクションは、「いいね!」「コメント」「シェア」「リンクのクリック」などといったアクション全般を指します。
エンゲージメント率の高さは、ユーザーの興味を惹きつける投稿ができているかどうかを反映しています。極端な話、エンゲージメント率が著しく低ければ、フォロワーの獲得や売り上げ向上などといった成果をあげることは難しくなります。そのため、SNS運用においては各投稿のエンゲージメント率を定期的に分析する必要があるのです。
また、エンゲージメント率を確認することで、「いいね!」や「コメント!」などのアクションを個別にチェックするよりも効率的に分析をできるというメリットもあります。
SNS分析ツールの選び方
ここまでで、SNS運用において分析すべき指標について解説してきました。そこで、次にSNS分析ツールの効果的な選び方について紹介します。
- ・料金プラン
- ・自社が運営するSNSに対応しているか
- ・確認したい指標を分析できるか
料金プラン
まず、SNS分析ツールを選ぶ上で重要なのが「料金プラン」です。一口にSNS分析ツールと言っても、無料で使える手軽な分析ツールから、月額料金を支払って分析を行う本格的な分析ツールまで、料金に大きな幅があります。
基本的には、月額料金が高価であるほど、より込み入った分析をすることが可能です。中には分析に加えて、「ソーシャルリスニング」や「炎上対策」などといった機能が備わった高度な分析ツールも存在します。
SNS分析ツールを選ぶ際は、「自社の予算内か」「月額料金に見合ったサービス内容か」という点を見極めましょう。
自社が運営するSNSに対応しているか
一口に「SNS分析ツール」といっても、InstagramやFacebookに特化したツールから、複数のSNSをまとめて分析・管理できるツールまで、さまざまな種類が存在します。そのため、SNS分析ツールを選ぶ際は、自社が運営しているSNSの種類に合わせて選定することが重要です。
例えば、Instagramに集中してSNS運用をしているのであれば、Instagramの分析に特化した専門ツールを利用するのが良いでしょう。その一方で、InstagramやTwitter、Facebookなど、複数のSNSを運営している企業であれば、幅広いSNSアカウントをまとめて分析できるツールを選ぶべきと言えます。
確認したい指標を分析できるか
SNS分析ツールを選ぶ際の3つ目のポイントは、「自社にとって重要な指標を分析できるかどうか」です。
前項にてSNS分析において欠かせない3つの指標を紹介しました。実際には、これ以外にも分析すべき指標が数多く存在します。使用するツールによって分析できる指標がそれぞれ異なるため、まずは自社にとって優先度の高い指標を洗い出し、それらの指標を分析できるツールを選びましょう。
おすすめのSNS分析ツール:Twitter編
まず、Twitter分析に特化したSNS分析ツールを5つ紹介します。無料のものから有料の本格分析ツールまでは場広く紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
- ・Twitterアナリティクス
- ・Social Dog
- ・つぶやきデスク
- ・whotwi
- ・TwTimez
Twitterアナリティクス
Twitterアナリティクスは、Twitter社が提供する無料の分析ツールです。誰でも簡単に、自社ツイートを分析することができます。
シンプルな使い勝手と管理画面ながら、各ツイートのパフォーマンスをしっかりと確認できることが魅力です。そんなTwitterアナリティクスでは、次の指標の分析ができます。
- ・インプレッション
- ・エンゲージメント率
- ・エンゲージメント総数
- ・いいね
- ・リツイート
- ・返信
- ・ハッシュタグのクリック数
- ・プロフィールのクリック数
- ・リンクのクリック数
- ・詳細のクリック数
- ・メディアの再生数
- ・フォロー
ただし、一つデメリットして、Twitterアナリティクスでは競合他社アカウントの分析はできません。そのため、競合アカウントの分析をはじめとする高度な分析をしたい場合は、これから紹介する他のツールと併用するのがおすすめです。
Social Dog
画像引用元:Social Dog
Social Dogは、累計50万アカウントを突破したTwitterマーケティングのためのオールインワンツールです。高度な分析はもちろん、Social Dog独自の「フォロワー獲得のための機能」で効果的にフォロワー数を伸ばせます。具体的には次のような分析が可能です。
- ・フォローバック率分析
- ・フォロワー分析
- ・時間帯・曜日分析
フォロワーのユーザー数や、効果が出やすい投稿時間帯・曜日をAIが分析してくれます。Social Dogでは、他にも「フォロー返し・フォロー解除の自動化」や「予約投稿」、「複数アカウント管理」など、Twitter運用において役立つ機能が幅広く備わっています。そのため、「Twitterの分析から管理まですべて一つのツールで行いたい」という方におすすめです。
Social Dogの料金プランは次の通りです。無料で使える「Liteプラン」は個人やスモールビジネスアカウントの分析におすすめです。ただし、分析期間が3ヶ月までに限られてしまうため注意が必要です。
プラン名 | 月額料金 |
---|---|
Lite | 無料 |
Lite+ | 980円 |
Pro | 4,980円 |
Business | 9,800円 |
つぶやきデスク
画像引用元:つぶやきデスク
つぶやきデスクは、アユダンテ株式会社が運営するTwitterとFacebookに特化した分析ツールです。つぶやきデスクでは、以下のような指標を分析することが可能です。
- ・投稿したツイートの効果測定
- ・特定語句のツイート流通トレンド
- ・フォロワー数の推移(自社、他社トの比較)
- ・フォロワー・他社アカウントの活動時間帯
- ・フォロー・フォロワー分析
つぶやきデスクでは、Twitter運用に欠かせない重要な指標を分析し、今後の運用に役立たせることができます。また、分析後のデータはダウンロードできるため、SNSの運用レポート作成にかかる手間を削減することもできます。
つぶやきデスクの料金プランは次の通りです。
プラン名 | 月額料金 |
---|---|
ベーシックプラン | 無料 |
ビジネスプラン | 20,000円 |
エンタープライズプラン | 100,000円 |
無料の「ベーシックプラン」も用意されていますが、こちらのプランでは高度な分析ができません。そのため、分析をするためにはビジネスプラン以上の契約が必要です。
whotwi
画像引用元:whotwi
whotwiは、シンプルな使用感が魅力の無料ツールです。特徴は、TwitterのアカウントIDを入力するだけでさまざまな指標の分析ができるところ。アカウント登録も不要で、サイトにアクセスするだけで、誰でもいつでも自由に分析ができます。
- ・仲のいいフォロワー
- ・よく使う言葉
- ・ひとりごと率
- ・1日平均文字数
このように、whotwi独自の指標を分析することが可能です。特に、「ひとりごと率」や「1日平均文字数」などの他社アカウントのデータはTwitterを運用するうえでかなり参考になるでしょう。
TwTimez
画像引用元:TwTimez
TwTimezは、Twitterのトレンド分析に最適な無料分析ツールです。TwTimezを使うと、Twitterで話題になっているトレンドを簡単に確認できます。トレンドを分析し、自社アカウントの投稿に役立てることで、より影響力のある発信をすることが可能になります。
他のツールは、自社アカウントの投稿の影響を分析するツールですが、TwTimezは「投稿のためのトレンド分析」ができるツールです。そのため、他のツールと併用して使うことで、隙のないTwitter分析ができるようになります。
おすすめのSNS分析ツール:Instagram編
続いて、Instagram分析に特化したツールを5つ紹介します。
- ・Instagram Insights
- ・SINIS
- ・Insight Suite for Instagram
- ・Aista
- ・HOTARU.AI
Instagram Insights
Instagram Insightsは、Instagram公式によりビジネスアカウントに提供されている分析ツールです。ビジネスアカウントを有していれば、誰でも無料で利用することができます。
- ・インプレッション数
- ・リーチ
- ・エンゲージメント
- ・プロフィールビュー
- ・フォロワー
- ・保存
- ・ウェブサイトのクリック数
このように、Instagram Insightsでは基本的な指標を分析することができます。ただし、フォロワー数の推移や競合他社との比較など、込み入った分析はできません。そのため、より高度な分析には他ツールを併用すると良いでしょう。
SINIS
画像引用元:SINIS
SINISは、連携アカウント数27,000件以上を突破したInstagram分析ツールです。実際に、『RETRIP』や『SPORTS DEPO』など、幅広いジャンルの企業アカウントで利用されています。SINISでは、主に次の分析をすることが可能です。
- ・フォロワー数の推移
- ・投稿後とのエンゲージメント
- ・他社アカウントのデータ分析
- ・ハッシュタグ分析
- ・ファンユーザーの分析
中でもSINISは、他社アカウントのデータ取得・分析にたいへん長けており、同業界の競合他社のアカウントのフォロワー数の推移や投稿のいいね数などを分析することができます。
SINISには、次の4つの料金プランがあります。ただし、高度な分析ができるのはSTARTERプランからとなっていますのでご注意ください。
プラン名 | 月額料金 |
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LITE | 無料 |
STARTER | 10,000円 |
PROFESSIONAL | 50,000円 |
ENTERPRISE | 問い合わせ |
Insight Suite for Instagram
画像引用元:Insight Suite for Instagram
Insight Suite for Instagramは、無料で使えるInstagram専用の分析ツールです。無料で使えるにもかかわらず、『フォロワー数の推移』や『エンゲージメント率の推移』などの込み入った分析ができます。
投稿の分析はもちろん、ストーリーズやプロフィールページなどといった細かな分析ができるのもInsight Suite for Instagramの魅力の一つです。「まずは手軽に利用できる無料ツールを探している」という人におすすめです。
Aista
画像引用元:Aista
Aistaは、5,000社を超える企業アカウントによって導入されているInstagramの分析ツールです。ハッシュタグ分析やユーザータグ検索など、さまざまな高度分析機能が充実しています。
中でも、キャンペーンハッシュタグ分析では、Instagramで開催したキャンペーンの効果を分析することができます。「キャンペーンの参加者」や「キャンペーンの反響」など、公式分析ツールや他ツールでは分析が難しい部分をしっかりと分析することが可能です。
プラン名 | 月額料金 |
---|---|
新システムB版 | テスター募集中 |
プレミア版 | 300,000円 |
HOTARU.AI
画像引用元:HOTARU.AI
HOTARU.AIは、Instagramに特化した分析ツールです。アカウント分析やハッシュタグ分析などの基本的な機能に加えて、メンション分析やハッシュタグサジェストなどの高度な機能もそろっています。また、これらの分析データはレポートとして出力することが可能です。
「スタンダードプラン」が無料、そして「プロプラン」が月額10,000円と、低価格で利用できるのも嬉しいポイントです。「できるだけ費用を抑えてインスタグラム分析をしたい」という方におすすめです。
プラン名 | 月額料金 |
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スタンダードプラン | 無料 |
プロプラン | 10,000円 |
ビジネスプラン | 30,000円 |
おすすめのSNS分析ツール:Facebook編
続いて、Facebook分析に特化したツールを3つ紹介します。
- ・Facebookインサイト
- ・Social Insight
- ・quintly
Facebookインサイト
Facebook インサイトは、Facebook公式の分析ツールです。各投稿のリーチやインプレッション、エンゲージメント率などのデータを確認することができます。
また、投稿に限らず、フォロワー数の推移や競合ページの人気投稿などといった分析も可能です。基本的な分析を行うには充分な機能がそろっています。ただし、より込み入った分析を行いたいという方は、以下で紹介する外部の分析ツールと併用することをおすすめします。
Social Insight
画像引用元:Social Insight
Social Insightは、FacebookをはじめとしたさまざまなSNSに対応した分析ツールです。Facebook分析では、大きく分けて「ページ全体の分析」「投稿全体の分析」「該当期間中の投稿の分析」の3つの分析が可能です。
Social Insightは、FacebookやInsatgram、TwitterなどのさまざまなSNSをまとめて分析できるという点で優れています。そのため、Facebookのみならず複数のプラットフォームでアカウントを運用しているという方におすすめです。
Social Insightの料金プランは一般公開されていません。料金プランについて知りたい方は、公式ホームページより問い合わせてみましょう。
quintly
画像引用元:quintly
quintlyは、Facebookの分析に特化したツールです。多数のFacebookページの管理・比較に優れており、最大で50社のFacebookページを一つの画面でまとめて比較することができます。自社ページの分析はもちろん、競合他社との比較分析をしたい際におすすめの分析ツールです。
quintlyは月額129ドルから利用が可能です。ちなみに、初期費用などの費用は一切掛かりません。
おすすめのSNS分析ツール:TikTok編
続いて、TikTok分析に特化したツールを2つ紹介します。
- ・プロアカウント
- ・Tofu Analytics
プロアカウント
プロアカウントとは、TikTokのアナリティクスを利用するためのアカウント設定のことです。プロアカウントに設定することにより、誰でも無料でデータ分析ができるようになります。
動画の合計再生時間や視聴回数、平均視聴時間などといったデータをTikTokアプリ内でワンタップで確認できるという手軽さが魅力です。TikTokで企業アカウントを運用している方は、ぜひアカウント設定から「プロアカウント」に設定を変更し、分析を行いましょう。
Tofu Analytics
画像引用元:Tofu Analytics
Tofu Analyticsは、TikTokを含むさまざまなSNSに対応したSNS分析ツールです。2021年3月現在、TikTokに対応している分析ツールはあまり多くないため、TikTokの分析を本格的に行いたいという方はTofu Analyticsを利用すると良いでしょう。
Tofu Analyticsでは、次のような指標の分析が可能です。
- ・キーワード・ハッシュタグ分析
- ・アカウント分析
- ・拡散に貢献しているインフルエンサーの特定
- ・競合調査
- ・トレンド分析
- ・リスク分析
TikTokのプロアカウントよりもさらに高度な分析がTofu Analyticsを使えばできるようになります。Tofu Analyticsは月1万円から利用が可能です。ただし、詳細については一般公開されていませんので、気になる方は公式ホームページより問い合わせてみてください。
SNS分析をして成果をあげるためのポイント
最後に、ここまでで紹介したSNS分析ツールを活用して、効果的なSNS運用を行うためのポイントを紹介します。
- ・競合アカウントと比較分析を行う
- ・PDCAサイクルを回す
競合アカウントと比較分析を行う
「SNS分析」と聞くと、自社アカウントの分析をイメージする人が多いでしょう。しかし、実際には競合他社アカウントの分析は、自社アカウントの分析と同じくらい重要です。その理由は、大きく分けて二つあります。
一つ目は、他社アカウントを分析することにより、自社アカウントの運用施策や運用状況を客観的に見つめられるからです。そして、二つ目は、SNS運用が上手な他社アカウントの分析結果は、SNS運用においてかなり役立つ情報だからです。
そのため、SNS分析を行う際は、競合他社の分析も積極的に行うようにしましょう。
PDCAサイクルを回す
SNS分析を通して成果をあげるためには、PDCAサイクルをサイクルを回すことが欠かせません。
PDCAとは、「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」のサイクルのことです。このサイクルを意識的に回すことにより、分析結果を最大限に生かせるようになります。
分析結果をただ眺めて満足するのではなく、分析を通して見つかった良かった点や改善点をもとに、運用方針を改善することに努めましょう。
まとめ
SNS運用に欠かせないSNS分析ツールを紹介しました。SNS運用においてしっかりと効果を出すためには、自社のニーズに合った分析ツールを活用して、PDCAサイクルを回すことが大切です。
当社GROVEでは、お客様のニーズに合わせてSNSマーケティングやプロモーションに関するノウハウ・ハウツーを提供しています。SNSマーケティングの運用・分析でお困りの方や、SNSマーケティングを始めてみたいとお考えの方は、ぜひ一度GROVEに問い合わせください。