PR投稿の基礎知識、SNS別の活用方法から法的配慮まで解説!

近年、SNSを活用したPR投稿は、マーケティング戦略の一環として多くの企業に取り入れられています。しかし、PR投稿にはルールや法律があるため、それらを理解した上で適切に運用する必要があります。

そこで、この記事では、PR投稿についてルールや注意点を踏まえて詳しく説明し、PR投稿のメリット・デメリットを解説していきます。

SNSを活用した広告投稿や、インフルエンサーへの投稿依頼などPR投稿を検討している方は、ぜひ最後まで読んでください。

PR投稿とは

PR投稿とは、X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSを活用して、商品やサービスを宣伝する投稿のことを指します。特に若年層を中心としたSNSユーザーへのアプローチ手段として注目を浴びています。

最大の特徴は、広告としての形を取らず、日常の投稿の一部として自然に消費者の目に触れる点です。インフルエンサーとタイアップしたタイアップ投稿もその一つで、インフルエンサーが自身の経験や視点を加えて商品やサービスを紹介するため、信頼性や共感性が高く、多くのフォロワーにポジティブな影響を与えることができます

SNS媒体別のPR投稿機能について

PR投稿に用いられるSNSとして、主に、X(旧:Twitter)、Instagram、TikTok、YouTubeがあります。ここでは媒体ごとの機能について詳しく説明していきます。

X(旧:Twitter)

X(旧:Twitter)は比較的短い文のシェアが中心SNSで、情報の発信や共有が非常に迅速に行われます。PRの観点から言えば、新製品の発表、イベントの告知、ブログの紹介など、タイムリーな情報を瞬時に多数のフォロワーに伝達することができるのが特長です。

基本的な機能としては、スレッドへの投稿や、引用リポストなどがあります。さらに、プロモツイートという広告機能も提供されています。プロモツイートでは、予算を設定し、その予算内で広告に対するエンゲージメントが発生した際に費用がかかる仕組みとなっており、目的や内容に合わせてターゲット設定が可能です。

プロモツイートに関してはこちらの記事も参照ください。

Instagram

Instagramは写真や動画のシェアを中心としたSNSで、ビジュアルコンテンツの発信や共有に効果的です。PRの観点から言えば、新製品のビジュアル紹介、イベントの宣伝、ブログやウェブサイトへのリンク共有など、ビジュアルコンテンツを通じて情報をフォロワーに伝達することができます。

基本的な機能としては、フィードへの投稿、ストーリーズ、リールがあります。さらに、タイアップ投稿やブランドコンテンツ広告という広告機能も提供されています。

タイアップ投稿ではインフルエンサーのフォロワーに直接リーチでき、そこから企業の公式アカウントに誘導することができます。一方、ブランドコンテンツ広告では、インフルエンサーのフォロワー以外にも広く配信されるため、より多くのユーザーにリーチすることができます。

タイアップ投稿についてはこちらの記事を、ブランドコンテンツ広告に関してはこちらの記事も併せてご確認ください。

TikTok

TikTokは短い動画コンテンツを主軸としたSNSです。クリエイティブな動画を制作して投稿することで、特に若年層にリーチすることができます。

TikTokで用いるPR投稿には、起動画面広告とチャレンジ広告とインフィード広告の3種類があります。

起動画面広告とはTikTokを起動した際に表示される広告です。チャレンジ広告とは、企業側がテーマとなるハッシュタグを用意し、そのハッシュタグに沿った動画をユーザーが作成・投稿するユーザー参加型の広告です。インフィード広告とは、投稿欄の「おすすめ」に表示される動画広告です。

それぞれの広告の詳細な特徴や費用は、こちらの記事をご参照ください。

YouTube

YouTubeは動画共有プラットフォームであり、比較的長尺な動画コンテンツが中心です。商品紹介やブランドのストーリー動画など、様々な形式のPR動画を投稿することができます。

また、動画の中でアフィリエイトリンクや商品リンクを共有することで、商品の購入を促進することも可能です。YouTubeもPR投稿の機能が充実しており、インストリーム広告(スキップ可能・スキップ不可)、インフィード動画広告(旧:TrueViewディスカバリー広告)、バンパー広告、アウトストリーム広告、マストヘッド広告などがあります。

それぞれの特徴や出稿にかかる費用に関しては、こちらの記事もご参照ください。

PR投稿の際のルールと気をつけるべき点

ここでは、PR投稿をする際のルールと気をつけるべき点について解説します!

PR投稿 表記のルール

SNSで企業やブランドの商品・サービスを宣伝する際、インフルエンサーとその企業の関係性を明確にする表記する必要があります。

以下は、便益の内容別の便益タグになります。

便益の内容
ハッシュタグ
物品・サービスのみ 金銭あり
#Promotion, #プロモーション
#Sponsored, #スポンサード
#Supported, #サポーテッド
#Ambassador, #アンバサダー
#協賛
#提供
#タイアップ
#PR
※「#PR」は、パブリックリレーションズと混同のおそれがあるため使用は推奨されていません。
不可 #物品提供
#サービス提供
#プレゼント企画
#プレゼントキャンペーン
#モニター
#モニター・プレゼント
#献本べん

※引用元:WOMJガイドライン

これらのルールを遵守し、読者やフォロワーへの透明性を保つ必要があります。

気をつけるべき点

上記ルールに則って、気をつけるべき点について説明します。

①主体の明示

PR投稿を行う際には、マーケティングの主体、すなわち広告主(企業名・ブランド名など)を明示的に表示することが必要です。これにより、消費者は情報発信の背後にいる実体を正確に把握できます。

②便益の明示

情報発信者(インフルエンサー)に提供される金銭や物品、サービスなどの便益も明確に示す必要があります。これにより、情報が宣伝目的であることが消費者に理解されます。

明示位置に関しては明確な決まりがあるわけではないですが、ハッシュタグ郡の途中に入れ込むなど、ユーザーが分かりづらい表記は避けると良いでしょう。

③広告主の責任

消費者が商品やサービスに関する詳細情報を求める場合、情報発信者(インフルエンサー)ではなく、広告主やその代理店に問い合わせることができるよう、明示することが重要です。情報発信者は宣伝を担当しているだけで、商品やサービスそのものの詳細や責任を持っているわけではありません。

④誤解のない表現を心掛ける

企業とインフルエンサー間での情報の共有は十分に行い、消費者に対して誤解のない、明確かつ正確な情報提供を心掛けることが必要です。

⑤ステマの防止

ステルスマーケティングのような、誤解を招く可能性のある宣伝方法は避ける必要があります。不透明な宣伝活動は、マーケティング主体と情報発信者双方の信頼を損なうリスクがあります。

ステルスマーケティングについてはこちらの記事でも解説しているので、併せてご確認ください。

PR投稿に関連する法律

PR投稿に関連する法律として、景品表示法薬機法があります。

景品表示法

景品表示法は、不当な景品・表示に関する取引方法を禁止し、消費者の利益を保護するための法律です。

(参考:景品表示法:消費者庁

具体的には、事業者が商品やサービスに関して、虚偽や誤解を招くような表示を行うことや、不当に良い条件で提供されているかのような誤解を招く表示をすることを禁止しています。

PR投稿では、インフルエンサーや広告主が、誤解を招くような情報や、実際の商品やサービスの内容と異なる情報を提供すると、この法律に抵触する可能性があるので、注意が必要です。

例えば、最上級・絶対的表現は消費者の誤解を招く恐れがあるため、使用できません。以下は、その一例になります。

  • 数値により優位性を示す言葉
    • 「世界一」「日本一」「ナンバー1」「第1位」「一番」「ピカイチ」など
  • トップを表す言葉
    • 「トップ」「最初」「最大」「最大規模」「最小」「最安値」「最高」「最強」「最優秀」「最高峰」「首位」「ベスト」「チャンピオン」「ダントツ」「最も」「至高」など
  • 「初」を表す言葉
    • 「初めて」「最初に」「日本初」「世界初」「第一号の」「第一人者」「元祖」「これまでにない」など
  • 1つしかないことを表す言葉
    • 「唯一」「当社だけ(のみ)」「よそにはない」「独占」など

但し、上記最大級・絶対的表現「最大」「最高」「最小」「最速」「No.1」「世界初」などは、以下2点の条件を満たしていれば表現が可能となります。

  • 広告掲載基準 
    • クリエイティブ内の表示が省略されない箇所に第三者によるデータ出典・調査機関名および調査年が明記されていること。 
    • 調査データが最新の1年以内のデータであること。

※引用:7. 最上級表示、No.1 表示【第3章3.関連】: Yahoo!広告ヘルプ

薬機法

薬機法は、薬品、医療機器、化粧品、食品の品質、有効性、安全性を確保し、公衆衛生及び衛生的な生活の保持・増進を図るための法律です。

(参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び 安全性の確保等に関する法律の概要:厚生労働省

PR投稿において重要となるのは、この法律により特定の薬品や化粧品、医療機器に関する表示や宣伝が制限されている点です。例えば、病気の治療効果や効能を持つ表示を行う場合、特定の基準や許可が必要となり、インフルエンサーがこれらの商品をPRする際には、不正確な表示や宣伝を避ける必要があります。

例えば、化粧品や美容液などのスキンケア製品を販売するときに認められている、標ぼう可能な効果は以下の56個のみとなっています。

(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38)芳香を与える。
(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサつきを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

【注意事項】
(注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
(注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
(注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
(注4)(56)については、日本香粧品学会の「化粧品機能評価ガイドライン」に 基づく試験等を行い、その効果を確認した場合に限る。

(※参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について:厚生労働省

PR投稿のメリット・デメリット

ここでは、PR投稿のメリットデメリットについて解説していきます!

メリット

PR投稿のメリットは大きく分けて4つあります。

①拡散されやすい

SNSの特徴の一つとして、拡散されやすいというポイントがあります。特に、インフルエンサーとタッグを組んでのPR投稿は、そのフォロワーにリーチすることが可能です。フォロワーは、自ら選んでインフルエンサーをフォローしているため、投稿内容にも積極的に興味関心を持つ可能性が高いです。このため、PR投稿は拡散力があります。

②購入に繋がりやすい

PR投稿は、読者や視聴者に直接的な購入リンクや情報を提供することができるため、他の広告手法に比べてオンライン上での商品やサービスの購入に直結しやすいです。これにより、効果的な販促活動を期待することができます。

③通常の広告よりも受け入れられやすく、共感・信頼を得やすい

PR投稿で紹介する商品やサービスは、一般的な広告よりも共感や信頼を得やすいと言われています。特に、インフルエンサーとタッグと組んで発信される投稿は、インフルエンサーの実際の経験や評価に基づいているため、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。

④ターゲット層にあったアプローチがができる

PR投稿を利用することで、特定のターゲット層やニッチな層にピンポイントでアプローチすることができます。これにより、効果的なマーケティング戦略を展開することが可能です。

デメリット

PR投稿のデメリットは大きく分けて5つあります。

①インフルエンサー選びが難しい

適切なインフルエンサーを選ぶことは容易ではありません。その人物の信頼性、フォロワー数、ターゲット層との一致度など、多くの要因を考慮する必要があります。

②炎上のリスクがある

インフルエンサーが不適切な発言や行動をした場合、その影響はPR投稿にも及び、企業やブランドのイメージを大きく損ねる可能性があります。

③インフルエンサーの管理と連携が必要

PR投稿を効果的に活用するためには、インフルエンサーとのコミュニケーションや契約の管理、内容の確認など、細かな連携が必要です。これにより、企業側のリソースや手間が増える可能性があります。

④ルールや法律の遵守が必要

先に述べたように、PR投稿には、気をつけるべきルールや法律があります。これらすべてをしっかり理解した上で、適切に発信する必要があります。不適切な場合、法的トラブルに発展するリスクがあります。

⑤どうしても広告臭は消えない

PR投稿は実際の経験や評価に基づいているため、通常の広告より受け入れられやすいものの、どうしても広告であるという嫌悪感は拭えません。特に、過度な表現やインフルエンサーとタッグを組んだ限定商品などは最新の注意を払う必要があります。

必要以上のプロモーションを打たないことや過度な表現を避けることが重要です。

まとめ

本記事では、PR投稿の意味とその特性、SNS媒体別のPR投稿機能、注意点、関連法律、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。

PR投稿は、SNS上でのブランド宣伝や認知向上のための重要な手段です。しかし、法的トラブルのリスクも伴います。そのため、各SNSの特性やルール、法律をしっかりと把握し、効果的な戦略を立てて実施しましょう。

また、インフルエンサーとのタイアップは、GROVEにお任せください。当社GROVEでは、多くのインフルエンサーと連携し、PR投稿に関する実績と経験が豊富にございます。

PR投稿に関する相談やインフルエンサー選定にお困りの方は、お気軽にお問合せください。