TikTokを活用したマーケティングのやり方は?企業の成功事例5選

近年話題の動画アプリ「TikTok」が企業マーケティングでも活用され始めていることをご存知でしょうか?TikTokをマーケティングツールとしてうまく活用することで、これまでリーチできなかったユーザーにアプローチできたり、高いリーチ率を獲得できる可能性があります。

新しいマーケティング施策を検討中の方は、ぜひTikTokマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか?本記事ではTikTokを活用したマーケティングについて詳しく紹介します。

そもそもTikTokとは

TikTok

TikTokを活用したマーケティングについて考える前に、まずTikTokとはどのようなプラットフォームなのか整理しておきましょう。TikTokは「若者の間で流行しているアプリ」というイメージが強いですが、具体的にどういたことができるのでしょうか?詳しく解説していきます。

「ショートムービー」に特化した動画プラットフォーム

TikTokを一言で表すと「ショートムービー」の制作・投稿に特化したスマホ向けの動画プラットフォームです。TikTokを使うと15秒前後、長くとも1分程度の動画を簡単に制作、編集、投稿できます。投稿された動画はTikTok内のユーザーが閲覧可能です。

誰でも簡単に動画が制作できる

TikTokには、音楽やフィルター、特殊加工などのツールがテンプレートとして用意されています。ツールを活用することで、誰でも簡単にデザイン性の高い動画の制作ができます。

YouTubeのようにイチから動画編集する必要はなく、ツールを使うだけである程度のクオリティのものに仕上げられるため、スキルがなくても対応できます。企業マーケティングにおいては、代理店に動画制作を依頼せずとも、ある程度自分たちでコンテンツを制作することが可能です。

TikTokユーザーは世界で15億人を超える

TikTokのユーザーは、世界的に見ると15億人(2024年2月:MeltwaterとWe are Socialより)をすでに超えおり、非常に大きいソーシャルメディアとなっています。FacebookやInstagramといったメジャーなソーシャルメディアに次いで利用人数が多く3位のソーシャルメディアです。

そのため、これまでFacebookやTwitterなどを中心にプロモーションを展開していた企業は、今後TikTokへの参入を検討することも必要になり得ます。世界のユーザーからのリーチを獲得できるチャンスにつながるので、TikTokをうまく活用していきたいところです。

ユーザー層の7割は30歳未満の若年層

TikTokは若者に人気のツールでというイメージがありますが、まさにその通りでユーザーの約7割が30歳未満であると言われています。うち半数は16歳から24歳のユーザーである(※1)ことから、TikTokをマーケティングツールとして活用する場合のターゲット像は明確です。

ただし、日本国内においては、TikTokの話題性の効果からか、10代〜20代に留まらず40代〜50代のユーザーもある程度いることがわかっています。

「いいね」機能を活用しフォロワーを増やせる

TikTokには、Facebookなど他のSNSと同様に「いいね」機能があります。気に入ったコンテンツがあれば、ユーザーは「いいね」を押すため、そのクリエイティブの評価を「いいね」で確認することが可能です。

TikTokマーケティングにおいては「いいね数」を一つの指標にする企業も多いのですが、それはなぜでしょうか?実は、TikTokにおいて「いいね数」はコンテンツが評価されるという意味だけでなく、フォロワー数(自社ファン)を増やすための一つの大事な要素にもなっています。なぜなら、「いいね数」が多いクリエイティブはTikTok投稿の「おすすめ」に表示される確率が高くなるからです。

「おすすめ」はユーザーの閲覧率が高いエリアですので、おすすめに表示されたクリエイティブは必然的に視聴率が伸び、コンテンツが表示される母数が増えるため、フォローにつながる確率も高くなるという特徴があります。

TikTokを活用したマーケティングの特徴

続いては、TikTokを活用して企業がマーケティングを実施する場合に、具体的にどういったメリットがあるのか、その特徴についてお伝えしていきましょう。一概に「すべての企業においてTikTokを活用したマーケティングを実践すべき」とは言い切れないので、自社にマッチするかどうかという視点で確認してみてください。

特徴①:ユーザーの反応率が高い

TikTokはソーシャルメディアの中でも、ユーザーの反応率が高いことがわかっています。ある調査によると、TikTokユーザーの2割がコンテンツを見た後に検索などの行動を起こしたことがあると答えているようです。さらに、5割のユーザーはハッシュタグをつけて投稿したことがあると答えています(※2)。

デジタルマーケティングにおいては、ユーザーの反応率がとても重要です。ユーザーがアクションしてくれることで拡散率が上がりますし、マーケティングの費用対効果を得やすいからです。TikTokのユーザーエンゲージメント率の高さは、企業のマーケティングにおいても非常に有利に働くと言えるでしょう。

特徴②:フォロワー以外にもリーチできる

TikTokは、フォローしているユーザー以外にもリーチしやすい点が特徴です。TikTokには3種類の広告機能がありますが、中でも「起動画面広告」や「インフィード広告」をうまく活用すると、不特定多数のユーザーにコンテンツ配信が可能になります。

「起動画面広告」とは、TikTokを起動した際に配信される動画(もしくは静止画)広告のことです。従来のソーシャルメディア広告ではあまり見られない新しい形の広告です。起動画面にて表示されますので、どのユーザーにも見てもらいやすいというメリットがある一方で、「鬱陶しい」とノイズに感じてしまうユーザーが一定数いるというデメリットもあります。起動画面広告に自社Webサイトへのリンクを設置することもできますので、不特定多数のユーザーを自社サイトに引き込みたい場合におすすめします。

一方、「インフィード広告」とは、TikTokのおすすめ欄に動画が配信される形の広告です。表示される時間も10秒前後と比較的長く、伝えたい情報を盛り込みやすいという特徴があります。おすすめページはユーザーの閲覧率が高く、多数のユーザーにリーチしやすい広告だと言えるでしょう。

他の自社運用するSNS広告と比較すると、TikTokを活用した広告は、圧倒的に費用が高くなることがデメリットです。起動画面広告の場合600万円前後のコストがかかると言われていますし、インフィード広告でもより多くのユーザーにリーチしようと思うと同程度くらいのコストが発生します。予算と相談しながらどのようにTikTokを活用するか検討していくことが大切です。

特徴③:日本国内だけでなく海外向けにも利用できる

TikTokのユーザーは全世界にいます。グローバルに展開している企業である場合、TikTokを活用すれば海外のユーザーにもコンテンツを届けることも可能です。ハッシュタグをうまく活用しながら海外ユーザーに対してコンテンツ配信をしていくことも、TikTokマーケティングにおいての上手な使い方と言えるでしょう。

TikTokはテレビCMのように番組の枠を買うわけではなく、同一のプラットフォーム上で全国のユーザーにコンテンツ配信が可能であるため、日本から海外に向けてコンテンツ配信したい場合には、有利に働く場合が多いです。

特徴④:売上に直結するわけではない

TikTokのユーザーが求めているものは「独創性のあるおもしろいクリエイティブ」です。そのため、TwitterやFacebookで展開するような単純に「割引クーポン」や「商品の購入」を直接的に促すようなコンテンツは好まれません。

ユーザーを直接的に商品購入サイトなどに誘導できるものではないため、売上に直結するわけでないことは理解しておくべきです。どちらかというと「企業への好感度を高めてもらう」ツールとして、クリエイティブを通してユーザーとのつながりを持つことを大切にしましょう。

特徴⑤:ターゲットが限定的であり適さない企業もある

TikTokのメインユーザーは、30歳未満の若者です。若者をターゲットにしている企業であればTikTokを活用したマーケティングは有用ですが、40代以上の中高年層をダーゲットにしている企業にはTikTokは適さない場合が多いです。また、若者が多いという特徴から、若者の興味が強い「ファッション」「音楽業界」「化粧品」といった業界が話題を集めやすいという特徴もあります。

そのため、TikTokをマーケティングに取り入れる際は、自社の商品・サービスに合わせたプランニングが欠かせません。当社GROVEでは、企業様に合わせたSNSや投稿の提案が可能です。「自社はTikTokに向いているのだろうか……?」「TikTokマーケティングの始め方がわからない」とお悩みの方は、当社GROVEにお問い合わせください。

TikTokマーケティングのKPIの立て方

KPIの立て方

企業においてTikTokマーケティングを実践する場合、まずはゴール設定が重要です。ここではTikTokマーケティングにおけるKPI(成果指標)の立て方について紹介していきます。

まずは最終ゴールを設定する

TikTokマーケティングのKPIを立てるにあたって、まずは最終的なゴール、目標値(KGI)を設定することが大切です。KGIは企業目標を達成するための指標です。

例えば、「売上を50%アップ」などが挙げられます。数値としてより具体化された目標値を設定することが大切です。

ゴールを達成するためのプロセス(KPI)を考える

ゴールを設定したら、次にゴールを達成するための具体的なプロセス(KPI)を考えていきます。例えば「売上50%」を達成するためには

  • ・リピーターを2倍増やす
  • ・特定の商品の売上を3倍アップさせる

といったことがKPIになるかもしれません。では、TikTokマーケティングに落とし込んだ場合、KPIはどのようなことが考えられるでしょうか?

例えば「売上を50%アップ」を達成するために「特定の商品の売上を3倍アップさせる」には、「商品をより理解してもらう・知ってもらうこと」が大切だと考えるかもしれません。TikTokを活用して商品をうまく訴求していくことをKPIとして設定する場合に、自社のクリエイティブをより多くのユーザーに届けること、つまり「視聴率数」や「エンゲージメント率」が具体的なKPIになってくるでしょう。

また、サイト誘導のKPI設定の場合においてKGI(目標達成指数)前年比50%アップさせることを例に考えてみましょう。前年のサイト訪問者1万人であれば、今年はサイト訪問者数1.5万人(=1万人×150%)が必要になります。前年のオーガニック検索からの訪問が5,000件だったとすると、1.5万人のサイト訪問者を達成するために、今年はTikTokを使って認知を拡大しオーガニック検索を5,000件増やすとします。そのためには、TikTokを再生してから興味持って検索する人の割合を2%と仮定して、5,000件検索されるために必要な再生数は25万再生(=5,000件÷2%)だと計算できます。

この例の場合、KPIは次の4つにまとめることができます。

上の例において設定するKPI
  • ・サイト訪問者数
  • ・オーガニック検索数
  • ・再生からの検索率
  • ・再生数

KPIを立てる上で大切なことは、目標を明確化し、目標を達成するためにはどのようなプロセスが必要か、それがTikTokを使ってどう貢献できるかを考えることです。

KPIは具体的な数値を使うことが大切

マーケティングにおいて、施策の効果を分析することが何よりも重要です。目標達成につながる効果があったのかを見ていく必要があります。効果分析は具体的な数値目標がないと「良し悪し」を判断することができないため、KPIには数値目標を入れ込ことが必要です。

先ほどお伝えした「エンゲージメント率」や「視聴率」、「いいね数」などをKPIに置く場合は、例えば「エンゲージメント率50%」「いいね数を3倍に増やす」といったように、数字に落とし込んでいくと具体化されて良いです。

参考にしたいTikTokを活用したマーケティング事例

いいねとパソコン・スマホ

実際にTikTokをうまく活用している企業が多くあります。各企業の事例から学べることは多いため、ここでは話題となった3つの企業のTikTokマーケティング事例を紹介しましょう。

事例①:ペプシJコーラ

サントリーが発売する「ペプシJコーラ」のプロモーションにおいてTikTokが活用され、話題となりました。公開した動画の総視聴数はなんと15,276,500回と、かなり多くのユーザーに再生されたことがわかります(※4)。

ここまでペプシJコーラのコンテンツが再生された理由は、話題性の高いダンス動画を活用したからです。オリジナル曲に合わせて有名人がダンスを踊るという動画が若者の間で注目を集めたのです。

簡単なダンスを取り入れていたため、ユーザーが真似をしやすく、ダンスコピー動画などが多く拡散されたことも再生回数が伸びた理由です。TikTokの「誰でも簡単に動画を投稿できる」という特性と、ユーザーが真似したくなるダンスを取り入れた「クリエイティブの巧さ」が合わさり、企業側が手を加えなくとも自然と拡散されていったことが良かったのだと考えられます。特に、新商品のプロモーションの場合は「話題性」「認知力」が大切になりますから、ペプシJコーラのTikTokマーケティングは成功したと言えます。

事例②:キムチの家

新潟県の佐渡島にてキムチを製造しているキムチの家というメーカーのTiktokアカウントがうまく活用できた事例です。
キムチができるまでのストーリーを大切に届けることを意識し、投稿されており、TikTokを初めてたった2ヶ月で売上は従来の40倍以上となっています。投稿動画は多いときで310万再生の大ヒットとなり、全国から通販サイトの注文が殺到しています。
広告宣伝費を多くかけず、中小企業ならではのマーケティング手法が注目を浴びています。

事例③:コアラスリープ

コアラスリープはマットレス寝具のメーカーです。こちらのアカウントでは、TikTokの効果を可視化するために実施時期をセール前に設定し、エンゲージメントとブランドサイトへの流入をKPIとしたアウェアネス施策を展開していました。
広告配信期間では、サイト流入数が前週比120%になり、さらに、TikTok内検索で「コアラマットレス」の月間検索数が3倍になるという結果が出ています。広告をうまく活用し伸ばした事例となります。

事例④:ユニリーバ

ユニリーバは、TikTokで「今日、好きになりました。」という恋愛リアリティ番組の出演者によるダンス動画や撮影オフショットなど、TikTokでしか見られないコンテンツを配信しました。
中でも「今日好きダンス」という動画は、中高生から人気を集め、TikTokで2億4,000万回以上再生されました。

事例⑤:マンガPark

「マンガPark」はスマホで漫画が読めるアプリです。「会員登録数」や「アプリのダウンロード数」が具体的な数値目標になるでしょうから、TikTok広告を活用してより多くのユーザーにリーチし、自社サイトへの誘導を実施しています。

マンガParkのTikTok広告が話題となった理由は、漫画の1コマ1コマを映像の中で紹介する形式がユーザーの興味関心を引いたからです。漫画の1シーンを紹介することで「続きが気になる」というユーザーの気持ちを活用し、自社サイトへの誘導をうまく実践しています。

さらに、最初の1秒~2秒で漫画のいわゆる見応えのある1コマを置くことで、ユーザーを一瞬で惹きつけることができたこともマンガParkのTikTokマーケティングが成功した理由でしょう。動画広告が再生されたとしても、ユーザーが最後までコンテンツを表示しなければ意味がありません。TikTokマーケティングにおいては、最初の数秒が大切であるということを証明している事例とも言えます。

TikTokではインフルエンサーを活用してフォロワーを集めよう

ハッシュタグを持ったインフルエンサー

キレイモが渡辺直美さんを起用した事例を見てもわかる通り、TikTokマーケティングを成功させるためには、インフルエンサーの活用が大切です。ここでは、企業が活用したくなるおすすめのインフルエンサーを4名紹介します。

インフルエンサー①:Hinataさん

若干14歳にして280万人のフォロワーを持つ驚異のTikToker、Hinataさんはダンスや口パク動画の評価が高く、中高生を中心に人気を集めているインフルエンサーの一人です。10代前後のユーザーをターゲットにしたマーケティングを実施したい場合に、Hinataさんは有力なインフルエンサーとなり得るでしょう。

さらに、中高生は流行に敏感ですので、彼らにとって「おもしろい」と思われるクリエイティブを制作できれば、かなりの拡散力が期待できます。「企業の認知度を高めたい」「新商品を訴求したい」など、リーチ力を強化したい場合には、Hinataさんのような学生世代にファンを多く持つインフルエンサーの起用がおすすめです。

インフルエンサー②:JOONHO&GYUMINさん

JOONHO&GYUMINは韓流のTikTokerです。彼らはプロのアーティストとしても活動しており、170万人のフォロワーがいます。プロのアーティストなだけあって、「歌唱力」と「ダンス」で注目を集めているインフルエンサーです。

韓流好きの女性を中心に人気があるため、「女性」をターゲットにした広告を展開したい場合に、有力なインフルエンサーとなり得るでしょう。ダンス動画や歌唱動画を展開していきたい場合にも、ぜひ起用したいインフルエンサーです。

インフルエンサー③:渡辺直美さん

芸能人枠では、先ほどキレイモでの起用事例で紹介した渡辺直美さんも有名なTikTokerの一人です。フォロワー数は100万人を超えており、芸人さんらしくネタ系の動画や個性の強い動画が人気となっています。

渡辺直美さんのように個性の強いインフルエンサーの起用は、ユーザーに対しインパクトを残しやすいというメリットがあります。さらに、芸能人としてテレビでも活躍されていることからフォロワーの年齢層が幅広く、若者から中高年、男性女性関係なくあらゆる属性のユーザーにリーチしやすいということも特徴です。

自社のターゲットに近いフォロワーを持つインフルエンサーを起用しよう!

リーチを高めるためにはインフルエンサーの起用が有効であることがおわかりいただけたでしょう。TikTokでフォロワーを多く抱えるインフルエンサーはたくさんいますが、それぞれファン層は異なっていることも理解いただけたでしょうか?

企業にとっては、必ずしもフォロワー数の多いインフルエンサーを起用することが、自社のマーケティングにおいて効果があるわけではないことは理解しておきましょう。インフルエンサーを起用する場合は、そのインフルエンサーが抱えるフォロワー層を理解し、自社がアプローチしたい層とマッチしているかを見極めることが大切です。

まとめ

TikTokを活用したマーケティングの基本情報から、他社事例、さらにはおすすめのインフルエンサーまで紹介しました。TikTokはまだまだ新しいプラットフォームであるため、参入している企業数はそう多くはありません。

今TikTokをうまく活用することができれば他社との差別化を図ることもできますし、これまでリーチできていなかったユーザー層に対してアプローチができるチャンスになります。TikTokの特性を理解した上で、それぞれの企業にマッチしたマーケティング手法をぜひ検討してみてください。

また、Tiktokを含めたSNSマーケティングから詳しく知りたい方がこちらの「SNSマーケティングとは?特徴・効果検証など網羅的に解説」の記事もご覧ください。

当社GROVEでは、「ブランディング」や「集客」といったお客様の目的に合わせたインフルエンサーマーケティングによるプロモーションを行っています。TikTokにこれから挑戦してみたいという方や、なかなかうまくいかない、成果が出ているのかがわからないといった方も、当社GROVEに問い合わせください。