ソーシャルメディアの利用者が増加している昨今、ソーシャルメディアマーケティングは、Webマーケティングをする上で欠かせない存在となりました。実際に、各SNSをはじめ、TwitterやYouTubeなどのソーシャルメディアをマーケティングに活用している、または挑戦してみたいという方は多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では、「ソーシャルメディアマーケティング」の基礎知識と、実際にwebマーケティングで活用していくための戦略・注意点を詳しく解説します。
目次
ソーシャルメディアとは?
まずは、ソーシャルメディアマーケティングを理解するのに欠かせない「ソーシャルメディア」の意味をおさらいしておきましょう。ソーシャルメディアは、『IT用語辞典』では次のように定義されています。
ソーシャルメディアとは、インターネット上で展開される情報メディアのあり方で、個人による情報発信や個人間のコミュニケーション、人の結びつきを利用した情報流通などといった社会的な要素を含んだメディアのこと。
つまり、ソーシャルメディアは、多くの人々が双方向発信できるメディアを総称する用語と言えます。具体的には、ブログやSNS、動画共有サイトなど、幅広いWebサイトやネットサービスがソーシャルメディアにあたります。
SNSと混同して捉えられることが多い「ソーシャルメディア」ですが、厳密に言うと、ソーシャルメディアの方がSNSよりも幅広い範囲のサービスを指しています。例えば、公式に“SNSではない”と宣言しているTwitterや、ネット掲示板、ブログなどのサービスはSNSには該当しませんが、ソーシャルメディアには含まれます。
そのため、企業はマーケティングを行うにあたり、SNSに活動範囲を狭めず、ソーシャルメディア全域を視野に入れることが重要です。
ソーシャルメディアマーケティングとは?
ソーシャルメディアマーケティングとは、上記で解説した「ソーシャルメディア」を活用したマーケティング手法のことです。SNSマーケティングとの違いは、活用するソーシャルメディアを「SNS」に限定せず、YouTubeやブログなど、より幅広いプラットフォームを活用していくというところにあります。
ソーシャルメディアの利用者数が増え続けている現代において、ソーシャルメディアマーケティングは非常に高い「費用対効果」が見込めるマーケティング手法の一つです。ソーシャルメディアマーケティングの必要性については、この後の「ソーシャルメディアマーケティングの必要性」にて詳しく解説しています。
SNSとは?
先ほどもSNSとソーシャルメディアの違いについて少し触れましたが、ここでもう一度「SNS」の意義をしっかりと確認しておきましょう。
SNSとは、「Social Networking Service」の略称で、インターネット上で人や組織とのつながりを構築することができるサービスのことです。例えば、LINEやTwitter、mixiなどがSNSに該当します。
ソーシャルメディアが「万人が情報を発信できるメディア全般」を指すのに対し、SNSは「個人同士のつながりを築く場所」という意味合いが強いです。つまり、SNSはソーシャルメディアとイコールで結べる関係ではなく、ソーシャルメディアの一部という捉え方が正解です。
ソーシャルメディアとSNSには、それほど大きな差異はありませんが、「同じものではない」ということはしっかりと把握しておきましょう。ソーシャルメディアとSNSを、それぞれ該当するプラットフォームとともに表にまとめましたので、参考にしてください。
ちなみに、一般的に「SNS」として認識されているTwitterですが、Twitter社は「SNSではない」という見解をしています。その理由は、Twitterの利用方法は、知り合いを探し「つながり」を築くツールではなく、多くのユーザーが自由に情報を発信するツールだからというものです。
多くの企業が実際に導入しているソーシャルメディアは?
ここまでで、一口に「ソーシャルメディア」といっても、個人同士のつながりに特化したSNSから、YouTubeやPinterest、個人ブログまで幅広いプラットフォームがあることをご理解いただけたと思います。特に、ソーシャルメディアは種類がかなり多いため、どのプラットフォームをマーケティングで利用していくかという「ソーシャルメディア選定」が重要です。
一般的に、企業のマーケティングと相性が良いソーシャルメディアは次の5つです。
- ・Twitter:情報の拡散に効果的
- ・Facebook:「実名登録」が基本のSNS
- ・Instagram:商品カタログのように、視覚情報との相性が抜群
- ・LINE:メルマガのように、最新情報やクーポンの配信に向いている
- ・YouTube:動画の配信に最適
例えば、企業アカウントとして数多くのソーシャルメディアで高い人気を誇る「ローソン」と「ユニクロ」は、これら5つのソーシャルメディアをすべて活用しています。
一般的に企業アカウントがよく活用しているソーシャルメディアは上の5つですが、他にも商品やサービス内容、企業のブランドイメージによっては、他のソーシャルメディアを駆使するのも効果的でしょう。自社のイメージや戦略に見合ったソーシャルメディアを選定しましょう。
ソーシャルメディアマーケティングの必要性
続いて、昨今のWebマーケティングにおける「ソーシャルメディアマーケティング」の必要性について考えていきましょう。ソーシャルメディアマーケティングが、現代のマーケティングで欠かせないことには、主に次の2つの理由があります。それぞれ、実際のデータとともに詳しく解説していきますね。
- ・ソーシャルメディア「利用者数」の増加
- ・ソーシャルメディア「利用時間」の増加
ソーシャルメディア「利用者数」の増加
まず、ソーシャルメディアの利用者数の増加から見ていきましょう。
ICT総研により発表されている『2020年度 SNS利用動向に関する調査』によると、ソーシャルメディア利用者は年々増加しており、2020年末におけるSNS利用者数は7,975万人に達することがわかっています。これは、アクティブユーザー7,975万人は、ネット利用人口のうち81.8%にあたり、かなり多くの人がソーシャルメディアを利用していることがわかります。
さらに、ソーシャルメディアの利用が若年層だけでなく40代以上にも拡大していることから、利用者数は今後も引き続き増加していくことが予想されています。具体的には、2022年末にはネット利用人口のソーシャルメディア利用率は83.3%に達するという見解です。
つまり、現代のインターネット利用において、ソーシャルメディアは8割以上もの人口が利用する、主要プラットフォームなのです。そのため、インターネットを活用したマーケティングにおいて、「ソーシャルメディアマーケティング」の必要性はかなり高いと言えます。
ソーシャルメディア「利用時間」の増加
次に、ソーシャルメディアの「利用時間」が顕著に増加していることも、ソーシャルメディアマーケティングの必要性が高まっている理由の一つです。
実際に、総務省情報通信政策研究所の『情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によると、次のようなデータが出ています。
- ・10代・20代の若者は、スマートフォンの利用時間のうち、ソーシャルメディア(SNS、動画投稿・共有サイト、ブログ)が約半分を占めている
- ・多くのユーザーがSNSを「情報検索」に活用している
若年層のユーザーに関しては、検索サイトの代わりとして利用したり、流行や情報をリアルタイムで把握するために利用したりするため、ソーシャルメディアの利用時間がかなり長い傾向があります。そのため、消費者との接点を獲得し、ブランディングをしたり、認知拡大を行ったりするためには、ソーシャルメディアを活用することが効果的と言えます。
ソーシャルメディアマーケティングを活用するための戦略
ここまで、ソーシャルメディアマーケティングとは何か、そして現代のマーケティングにおける重要性を解説してきました。そこで次に、ソーシャルメディアの特長を最大限に生かし、マーケティングで活用していくための戦略を3つ紹介します。
- ・消費者と相互発信的にコンテンツを活用する
- ・ソーシャルメディアを通して自社サイトへ誘導する
- ・ソーシャルメディア内で行動プロセスを完結させる
消費者と相互発信的にコンテンツを活用する
ソーシャルメディアの登場により、これまでコンテンツを受け取る側であった消費者が、「コンテンツの発信者」となることが容易となりました。そのため、従来の「企業側から一方的に発信する」というマーケティング施策だけでは不十分と言えます。
消費者と相互発信的にコンテンツを活用する方法の一つに、「UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)」の活用があげられます。UGCとは、一般消費者によってインターネット上に投稿されたコンテンツのことで、これらをキャンペーンを通して取得したり、すでにインターネット上に存在するUGCを活用したりすることにより、ブランディングや消費者との距離を縮めるといった嬉しい効果が期待できます。
商品やサービス、またはタイミングによっては、企業から発信された情報よりも、一般消費者によって発信された情報の方が、一般ユーザーが求めているものに近いことがあります。ソーシャルメディアをマーケティングで活用する際は、「消費者と相互発信的にコンテンツを活用すること」をぜひ心がけてみてください。
ソーシャルメディアを通して自社サイトへ誘導する
従来のWebマーケティングでは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを通して自社サイトへのアクセスを獲得するというSEO施策が一般的でした。しかし、現代のマーケティングでは、ソーシャルメディアを通した自社サイトへの誘導も取り組みたい施策の一つです。
株式会社電通が2017年に実施した『若年層のSNSを通じたビジュアルコミュニケーション調査』によると、トレンドファッションやセレブリティーの近況などといった情報を仕入れる手段として、検索エンジンを「SNS検索利用」が上回ったという調査結果が出ています。
このことから、ソーシャルメディアの活用は、自社サイトのアクセス増加に効果的と言えます。特に、TwitterやYouTubeなどといったソーシャルメディアは、投稿や概要欄にリンクを貼り付けることで、ユーザーがワンタップでサイトへ飛べる仕組みを簡単に作ることができます。
「自社サイトへの訪問者を増やすこと」を目的にマーケティングを行っているという方は、ソーシャルメディアを有効活用することで、高い効果が見込めるでしょう。
ソーシャルメディア内で行動プロセスを完結させる
最後に紹介するのは、「ソーシャルメディア内でユーザーの行動プロセスを完結させる」という戦略です。
ソーシャルメディアマーケティングを導入するにあたっては、「SIPS」という消費者行動モデルを意識することが効果的です。SIPSというのは、「Sympathize(共感する)」「Identify(確認する)」「Participate(参加する)」「Share & Spread(共有・拡散する)」の頭文字を取った行動プロセスのことです。
ソーシャルメディアというと、どうしても「情報を収集するツール」というイメージが強いですが、実際には「いいね!」をして情報を共有したり、コミュニティに参加したり、商品を実際に購入したりなどといった行動プロセスが存在します。
よって、ソーシャルメディアをマーケティングに取り入れる際には、単なる情報を共有するツールとしてではなく、「共感→確認→参加→共有・拡散」という行動プロセスを完結させることが可能なツールとして活用していくことが大切です。
ソーシャルメディアマーケティングの注意点
最後に、ソーシャルメディアマーケティングを導入するにあたり知っておきたい注意点を2つ紹介します。それぞれどういうことか、具体的にお伝えしていきます。
- ・動画コンテンツを積極的に活用する
- ・潜在的なユーザーにアプローチすることを目的とする
動画コンテンツを積極的に活用する
ソーシャルメディアというと、TwitterやInstagram、ブログなどといった「文章」と「画像」中心のメディアをイメージする人が多いかもしれません。しかし、現代では、YouTubeはもちろんのこと、InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアにおいても気軽に動画の投稿・閲覧ができるようになったことから、動画に高い注目が集まっています。
実際に、Marketing Research Campによる、2019年の『動画広告を見かけたプラットフォーム』調査によると、10代の60%以上が毎日ソーシャルメディア上で動画コンテンツを視聴していることが明らかになりました。このことから、文字や画像の発信だけでなく、「動画コンテンツ」を積極的に活用するということに注意してソーシャルマーケティングに取り組むべきと言えます。
潜在的なユーザーにアプローチすることを目的にする
ソーシャルメディアマーケティングと聞くと、自社商品やサービスを一方的に宣伝するという活用方法を思い浮かべる人は少なくないでしょう。しかし、実際には、ソーシャルメディアにはタイムラインや検索欄に表示される情報をなんとなくチェックしているユーザーが多く存在します。
そのため、潜在的なユーザー・顧客にアプローチをかけることを意識しなければなりません。自社商品・サービスの宣伝を過度に行うなど、宣伝色の強い投稿ばかりしていると、ユーザーに悪い印象を与えてしまう可能性が高いので注意が必要です。
まとめ
現代のWebマーケティングで欠かせない「ソーシャルメディアマーケティング」の基礎知識と、ソーシャルメディアを効果的に活用するための戦略・注意点を解説しました。
ソーシャルメディアマーケティングを導入することにより、従来のWebマーケティングよりも遙かに高い効果が見込めます。さらに高い成果をあげるためには、「企業と消費者が相互に発信する」「メディア内で行動プロセスが完結する」などといった、ソーシャルメディアの特性をしっかりと理解した上で、戦略を立てていくことが重要です。
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