SNSを活用したSDGsとは?企業の取り組み状況や施策事例などを解説

最初は聞き慣れなかった「SDGs」という言葉ですが、様々なシーンで見聞きする中で私達の生活に浸透してきたのではないでしょうか。本記事では、そんなSDGsに対してSNSを活用し、積極的に取り組む施策事例などを紹介します。

SDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成されています。地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓って策定されたものです。
SDGsは発展途上国のみならず、日本を含めた先進国も取り組むものです。日本は政府や企業が団結し、SDGsに積極的に取り組んでいます。

SDGsの企業取り組み状況

2022年、株式会社帝国データバンクがSDGsに関する企業の見解について調査しました。調査対象は全国2万5,405社で、有効回答企業数は1万1,337社(回答率44.6%)です。
自社におけるSDGsへの理解や取り組みについての質問については「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は23.6%で、「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」は28.6%に達しています。
なかには「“やらなければいけない”という義務感よりも、小さなことでも取り組むことによって将来社会に明るい展望を地域にもたらすことができ、それが自社の存続にもつながると考えている」と回答した企業もあり、SDGsに向けて積極的な姿勢がうかがえます。
SDGsに積極的に取り組むと、企業イメージが向上すると考えているところも多くあります。その他、従業員のモチベーションの向上や経営方針等の明確化などの効果にも期待しています。
ただし、SDGsに関心があっても具体的にどのような行動をとればよいのか分からない、費用がかかるため補助金や助成金の拡充が必要だと考える企業もありました。

参考:株式会社帝国バンク「SDGsに関する企業の意識調査(2022年)

SNSを活用したSDGs施策事例

SDGsの取り組みに費用がかかることを懸念する企業もありますが、SNSを活用し、比較的安価で施策を行った事例も多くあります。
具体的にどのような施策を行ったらよいか分からなくて困っている企業は以下のような事例を参考にするとよいでしょう。

廃棄前提「未利用魚」のサブスク会社がSNSでアレンジレシピを発信

「フィシュル」は、規格外サイズや一般認知度の低さなどを理由に加工されなかった未利用魚を使ったミールパックを毎月届けるサブスクリプションサービスです。
どのようなおいしい食べ方ができるのか知ってもらうために、Twitter(現 X)やInstagramなどのSNSを通じてアレンジレシピを発信しています。

若者や主婦の中で魚食離れが起きているとも言われる昨今、「おいしそう」「料理してみようかな」と思わせる仕組みを作っています。

noteで「バトンをつないで #SDGs Challenge」でマガジン発信

主にSNSマーケティング事業を行う、株式会社ラバブルマーケティンググループもSDGsの達成に向けた取り組みを行っています。

クリエイターが文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームである「note」にて、「バトンをつないで #SDGs Challenge」というマガジンを発信しています。

メンバーが様々な視点から、自分もSDGsに取り組むための方法を探って深掘りしたことや実践したことをシェアしています。

おにぎりの写真投稿がアフリカやアジアの子ども達の給食に

おにぎりの写真をSNSに投稿すると、認定NPO法人TABLE FOR TWO Internationalを通じて、アフリカやアジアの子ども達の給食に寄付することになる施策も行われています。

1枚のおにぎり写真投稿につき、給食5食分に相当する寄付となります。2022年には47都道府県37カ国からおにぎりの投稿が集まり、150万食以上が子ども達に届けられました。

Instagramにて使わなくなった私物を投稿するとメルカリポイントGet

日本最大級のフリマアプリを運営する株式会社メルカリは、Instagramを活用したSDGsキャンペーン施策を実施しました。

このキャンペーンとは、Instagram上に使わなくなった私物を投稿することで、メルカリポイント5,000円分が当たるというものです。一般ユーザーだけでなく、インフルエンサーも使わなくなった私物を出品したことで話題となりました。

森永製菓キョロちゃんがTwitterでSDGsクイズを発信

森永製菓株式会社は、人気のチョコレート菓子のキャラクター「キョロちゃん」がSNS上でSDGsクイズを出題する投稿を行っています。

こうした投稿で自社のファンを獲得し、企業イメージ向上につなげることもできます。拡散力の高いTwitter(現 X)との相性がよい施策事例のひとつです。

女性向けWEBメディア「OZmall」がマイボトルチャレンジ

女性向けWEBメディア「OZmall(オズモール)」が、SDGsの取り組みの一環としてSNSキャンペーンを開催しました。

SNSアカウントのフォローやキャンペーン投稿のシェア、写真や動画に特定ハッシュタグを付けて投稿、といった条件を満たしたユーザーに対して抽選で賞品をプレゼントするというものです。
ハッシュタグ「#マイボトルチャレンジ」を使って、ゴミの削減に取り組む施策もありました。この施策は、インフルエンサーも起用してキャンペーン情報を拡散しているのがポイントです。

ファッション誌ELLEが開催「ELLE ACTIVE!FESTIVAL」#好きだからもっと

ファッション誌ELLEが開催する「ELLE ACTIVE!FESTIVAL」というイベントもあります。サスティナビリティを課題にハッピーとポジティブを届ける配信イベントです。

イベント開催に合わせてInstagramとTwitter(現 X)では「#好きだからもっと」というハッシュタグキャンペーンも開催しました。冨永愛さんや森星さんといった影響力のある方を起用したイベントです。

ハッシュタグとYouTubeを活用したサッカーイベント

株式会社LIXILと鹿島アントラーズによって開催されたサッカーイベント「LIXILスペシャルマッチ ~SDGs アントラーズと考えよう。地球のこと、未来のこと。~」というSNSを活用したSDGsの取り組みがあります。

SDGsの達成につながる取り組みを専用フォトフレームで撮影し、その写真を紹介コメントと一緒にSNSに投稿するキャンペーンです。サッカー試合のSUITE BOX観戦招待などの豪華賞品が当たることもあって、大きな反響がありました。

「地方創生×持続可能」をテーマに美少女がファッションショー

株式会社美少女図鑑によるランウェイショー「美少女図鑑COLLECTION」では、「地方創生×持続可能」をテーマに掲げたことがあります。

一般公募によって集まった、地元にゆかりのある美少女が、地方発のヴィンテージショップのアイテムを取り入れたサステナブルファッションを身に纏い、地元の魅力やSDGsにつながる行動をアピールしました。

気候変動問題「Green Music produced by Zurich」がYouTubeを活用

気候変動問題に対して関心を持ち、改善のためどのような行動をとったらよいかを考えるきっかけを促す「Green Music produced by Zurich」がYouTubeを巧みに活用しています。

チューリッヒ保険会社株式会社が運用するYouTubeチャンネルでは、ユーザーから楽曲のテーマにしてほしい場所を募集しています。

気候変動の取り組みに賛同するアーティストが応募された場所をテーマにして楽曲を書き下ろし、アニメーションと融合させたBGMを配信しています。

花キューピット企画「CO2削減量をツイートするとギフトが当たる」

花キューピット株式会社は、花を購入してアカウントをフォローし、ハッシュタグ「#SDGs」「#地球にやさしいフラワーギフト」を付けて投稿したユーザーに対し、2,000円分のeギフトが100名様に当たるキャンペーンを行いました。

自社商品の購入を促すと共に、CO2削減というアクションをユーザーの応募条件とし、「花=環境に配慮したもの」というイメージ向上にもつなげています。

海藻を食べて地球環境改善「MISAKY.TOKYO」がTikTokアカウントの運営を強化

海藻を使ったフードテック事業を展開する「Cashi Cake inc.」が展開する和菓子「MISAKY.TOKYO(ミサキ・トウキョウ)」では、TikTokアカウントの運営を強化しています。
人気商品である「Crystal Treats(琥珀糖)」の情報発信と、ファンとの交流を行い、完全無広告でフォロワー100万人を突破しました。(2023年4月時点)

海藻は、地球上の約30%のCO2を吸収するとされている一方で、大きさが巨大になるとCO2吸収力が衰えてしまうため、定期的に収穫する必要があります。そのため「食べることで地球環境が良くなる食材」ということで、SDGsの取り組みのひとつとして注目を集めています。

北海道で環境社会課題解決に取り組む事業をTikTok動画で紹介

北海道で環境社会課題解決に取り組む事業を公募し、審査を通過した事業をTikTok動画で紹介するという取り組みを行っているところもあります。

TikTok動画では、ドラマ仕立てのストーリーで事業を紹介し、登場人物の名前を北海道の町名にすることで印象に残りやすいインパクトのある内容となっています。堅いイメージのある地方創生やSDGsに関する自治体事業を親しみある内容で分かりやすく訴求しています。

カーボンニュートラル社会の実現に向けてSNSを活用

環境負荷を下げる行動をセルフチェックできる指数「CQ(脱炭素指数)」の開発を行う関西電力との取り組みとして、「CQ」というプロジェクトがあります。

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、ひとりひとりがライフスタイルについて考え、行動を変えていくことを目指す取り組みです。
インフルエンサーやアーティストへのインタビューコンテンツの配信や、Twitter(現 X)での脱炭素に関する情報発信やプレゼントキャンペーンの実施などを行っています。

SDGs活動を行うZ世代グループ「NAMIMATI」がSNSを活用

Z世代に向けた施策として、湘南を拠点にSDGsに関わる活動を行うグループ「NAMIMATI」が主催するイベント「REGENERATION FESTA」があります。

Z世代が世界で起きている問題としっかりと向き合い、持続可能な未来を築いていくための意識や行動とエンターテイメントを融合させたイベントです。SNSを活用した広報はもちろんのこと、SNSを使った抽選会実施など、様々なアプローチが行われました。

まとめ

SDGsに向けた行動が求められる中、費用がひとつの懸念点となっているということも聞きますが、本記事で紹介した施策事例を参考にすると、多くの費用をかけずともSDGsへの取り組みは行えると思えたのではないでしょうか。

自社のイメージ向上や認知拡大などにもつながる取り組みを成功させるためにはインフルエンサーを起用することも有効です。本記事で紹介した施策事例の中にもインフルエンサーを起用したものが多くありました。
しかし、インフルエンサーを起用したSNS企画をどのように進めたらよいか具体的には考えにくい方もいるでしょう。そんな時はぜひ当社GROVEにお問い合わせください。

当社GROVEには様々なインフルエンサーが多数在籍し、SNSプロモーションに強みを持っているため、お気軽にご相談ください。