10~20代を中心に人気の「Instagram」。著名人や法人だけでなく、影響力のあるインフルエンサーも続々と誕生しています。
そういったインフルエンサーを経由したブランドコンテンツ広告には大きな期待を持てるでしょう。今回は、そんなブランドコンテンツ広告について解説します。
目次
ブランドコンテンツ広告とは
ブランドコンテンツ広告とは、インフルエンサーが作成したオーガニック投稿(通常の写真や動画の投稿)を自社の広告として配信できる、Instagram広告の配信方法のひとつです。以下のような種類があります。
種類 | 表示される場所 | 特徴 |
フィード投稿 | ホーム画面 | フォロー関係なく多くの人が目にする |
ストーリーズ投稿 | ストーリーズ | 全画面表示されるため、与えるインパクトが大きい |
発見タブ | Instagramアプリで虫眼鏡アイコンをタップ | 新しい情報・お気に入りの投稿・ユーザーを探している人にリーチできる |
以前から、インフルエンサーと企業が協業してコンテンツを配信することはありました。しかし、企業から金銭や商品の授受がありながらも、それを隠して広告する「ステルスマーケティング」が横行してしまいました。
そこで、Instagramはインフルエンサーと広告主の繋がりを可視化する仕組みを作ることに至ったわけです。
ブランドコンテンツ広告は、インフルエンサーのアカウントから配信され、アカウント名の下に「広告(英語ではSponsored)」と表示されます。
また、キャプション欄の冒頭に「〇〇とのタイアップ投稿」と明記され、インフルエンサーと広告主が協業関係であることを明確にしています。
タイアップ投稿との違い
「ブランドコンテンツ広告」と混同されやすいものとして「タイアップ投稿」があります。
Instagramのタイアップ投稿とは、インフルエンサーが広告主からの依頼で商品やサービスのPR投稿を行うことを言います。インフルエンサーと広告主の関係性を明らかにする目的で、タイアップ投稿タグ(「#PR」あるいは「#〇〇(広告主)_supported」など)が使用されます。
ブランドコンテンツ広告とタイアップ投稿タグの違いをまとめると、以下のとおりです。
【共通点】
インフルエンサーと広告主の関係性を明示する
【違い】
■ブランドコンテンツ
広告主がインフルエンサーの投稿を自社の広告として配信する
■タイアップ投稿
インフルエンサーが自身のアカウントで広告主の商品やサービスをPRする
ブランドコンテンツ広告は、広告配信のためインフルエンサーのフォロワー以外にも広く配信され、より多くのInstagramユーザーにリーチできます。
その一方で、タイアップ投稿はインフルエンサーのフォロワーに届きます。インフルエンサーに関心があるユーザーに届くため、エンゲージメントを獲得しやすい傾向があります。
ブランドコンテンツ広告の3つの目的
ブランドコンテンツ広告の目的としては以下が挙げられます。
- ・広告主アカウントをフォローしていない人にもアプローチできる
- ・顧客視点での情報発信ができる
- ・インフルエンサーファンの注目を集められる
広告主アカウントをフォローしていない層にもリーチできるため、新規顧客として取り込める可能性があります。
また、インフルエンサーと協業することで、顧客視点での商品やサービスの使い心地をアピールできることになります。
さらに、一般的な広告には注目しない人でも、好きなインフルエンサーの言葉には耳を傾ける可能性が高いでしょう。
ブランドコンテンツ広告には、特に向いているジャンルがあります。以下の特徴を持っていると有効性が高いでしょう。
- ・10~20代がターゲット
- ・男性より女性がメイン
- ・Instagramと親和性の高いビジネス
令和4年に行われた、総務省情報通信政策研究所の調査によると、10~20代のInstagram利用率は70%以上と他の年代と比べて多い傾向にあります。そのため、このターゲット層に向けてアピールしたい広告主に適していると言えるでしょう。
また、Instagramは写真や短い動画などを使用してビジュアル的なインパクトや分かりやすさといった特徴があることから、美容・コスメ・ネイル・ファッション・エステ・料理のようなジャンルと親和性があります。
ブランドコンテンツ広告の仕様について
ブランドコンテンツ広告は、1対1のカルーセル形式のみを使用できるようになっています。カルーセル形式とは、1つの広告で最大10件の画像や動画を表示できるフォーマットのことです。それぞれの画像や動画に別のリンクを付けることができます。
広告主がインフルエンサーのストーリーズを広告に変換する場合、インフルエンサーは位置情報スタンプやハッシュタグスタンプ、タップ可能なテキストなどの相互に作用する要素を最大5つまで使用できます。
もしこれらを使用しない場合、カウントダウンスタンプを1つ使用可能です。アンケートスタンプとスワイプアップCTA(Call To Actionの略、コンバージョンへのリンクやボタンを指す)は、既存の投稿を使わずに作成された広告のみでの使用となります。
ただし、投稿時にエラーの原因となる可能性があるため、絵文字やGIF、ミュージックスタンプ、リンクスタンプ、複数のスタンプ、複雑なクリエイティブツールの使用は避ける必要があります。(参考記事:「Metaビジネスヘルプセンター」)
広告入稿の流れ
広告入稿の流れを以下の3つに分けて解説します。
- 広告主が行う設定
- クリエイターが行う設定
- 両者の設定が完了したら行うこと
広告主の設定およびクリエイターの設定が完了しないと、ブランドコンテンツ広告を投稿できるようにはなりません。
広告主が行う設定
広告主が行う設定としては、2ステップあります。
- ・Instagramをビジネスアカウントに設定する
- ・クリエイターをビジネスパートナーとして承認する
メニューから「設定」→「ビジネス」→「ブランドコンテンツ」と選択して、ビジネスアカウントとして設定します。
その後、「承認済みビジネスパートナー」を選択する、あるいは、「タグ付けリクエスト」を選択してタグ付けのリクエストを送信します。この作業が、ビジネスパートナーとして承認することになります。
インフルエンサーが行う設定
インフルエンサーが行う設定も、広告主の場合と同様で以下の2ステップです。
- ・Instagramをビジネスアカウントに設定する
- ・広告主をビジネスパートナーとして承認する
インフルエンサーも、ビジネスアカウントに移行して広告主とビジネスパートナーになる必要があります。手順は広告主の場合と同様です。
両者の設定が完了したら行うこと
続いて、両者の設定が完了したら行うことを「フィード投稿の場合」と「ストーリーズ投稿の場合」との2つに分けて解説します。
まず、フィード投稿の場合から解説しましょう。インフルエンサーは、通常通り投稿をつくります。その投稿のキャプション入力画面で「詳細設定」→「ビジネスパートナーをタグ付け」を選択します。
初めてこの機能を使う場合、「ツールの取得」を求められるため、選択して設定しましょう。その後、ビジネスパートナーをタグ付けします。
また、詳細設定のページ内に「ビジネスパートナーによる宣伝の許可」という項目があるため、そちらをONにしてください。こちらを選択すると、広告主がその投稿を広告配信に使うことができるようになります。
最後にシェアをタップして投稿完了です。投稿を見ると「〇〇とのタイアップ投稿」と表示されていることが分かります。
次に、ストーリーズ投稿の場合を解説しましょう。ストーリーズとして投稿する画像や動画の編集を済ませて、上部にある「リンク(鎖マーク)」をタップします。
「その他のオプション」→「ビジネスパートナーとしてタグ付け」にて広告主を選択し、「ビジネスパートナーによる宣伝を許可」をONにしてください。
投稿画面に戻ると、リンクが設定されていることが分かります。その後、通常通りに投稿すると完了となります。
まとめ
Instagramアカウントを持っている企業にとって、ブランドコンテンツ広告を活用することは有効な手段です。
ターゲットへの影響力があるインフルエンサー経由で情報を発信できます。自社アカウントのフォロワーではないユーザーにもアプローチできるのです。
さらに、ブランドコンテンツ広告はタイアップ投稿タグと異なり、広告の効果測定もしやすくなりました。クリエイターの投稿のインサイトを広告主も確認できるようになったのです。今やInstagramは有効なマーケティングツールです。
Instagramでのマーケティングをさらに強化したい場合は、インフルエンサーを活用したブランドコンテンツ広告を利用しましょう。インフルエンサー活用に関してはぜひGROVEにご相談ください。