KOLとは?インフルエンサーとの違いやメリット・デメリットなどを解説

インターネットやSNSの利用率が高いなか、インフルエンサーを起用したプロモーションも活発になっています。また、インフルエンサーだけでなく、中国の消費者の購買意思決定に大きな影響力を与えるKOLの起用も検討されつつあります。
とはいえ、KOLの概要やメリット・デメリットなどを詳しく知らない方もいるでしょう。そこで本記事では、KOLとインフルエンサーとの違いや起用するメリット・デメリット、中国で人気な理由などについて解説します。

KOLとは?

KOLとは「Key Opinion Leader」の略称で、特に中国の消費者の購買意志決定に強い影響力を与える専門性を持ったインフルエンサーのことです。KOLマーケティングとは、そんなKOLを起用したマーケティング施策のことを指します。
もともと、KOLは医療業界における専門家に限定して使われている言葉でした。医療商品やサービスにおいて、認知拡大や販売促進などの影響力を持つ医師といった専門家のことを指していました。

しかし、2014年あるいは2015年あたりからは、KOLの定義が変わりつつあり、専門的なジャンルにおいて自身のSNSやブログで多数のフォロワーがいて、商品やサービスなどの情報を発信を続けているインフルエンサーをKOLと呼ぶようになりました。

KOLとインフルエンサーの違い

KOLとインフルエンサーの違いは、専門性の有無です。KOLは、専門性を持ったインフルエンサーではなければいけません。例えば、特定の業界や専門領域に明るく、この業界のことならこのKOLの意見を聞きたいと思わせる専門性を持っている必要があります。
対して、インフルエンサーは、InstagramやX(旧 Twitter)などをはじめとするSNS上で大きな影響力を持つ人物のことです。
ここでいう「影響力」とは、人々の行動や感情に与える影響力が大きいということを意味し、一般的に影響力を表す指標として「フォロワー数」が用いられます。必ずしも専門性や信頼性があるとは限りません。

インフルエンサーについては「インフルエンサーとは?種類別定義と企業がビジネスで活用するメリット」を参考にしてください。

KOLを起用するメリット

KOLを起用するメリットとしては以下が挙げられます。

  • ・高い専門性・影響力・信頼性を持っている
  • ・海外展開へのハードルが低い

それぞれについて詳しく解説しましょう。

高い専門性・影響力・信頼性を持っている

KOLを起用するメリットとしては、高い専門性・影響力・信頼性が挙げられます。日頃から特定の分野に対して情報発信を続けているKOLがプロモーションすると、そのKOLのファンである消費者は安心して商品やサービスを購入する可能性が高くなります。
また、KOLが主に活動しているSNSでは、消費者が情報発信者との心理的距離を近く感じる傾向があり、商品やサービスについての疑問や質問があれば、コメントや投稿などで直接回答することもできます。この回答が専門的な知識に基づいた内容であれば、KOLに対する信頼性が増すでしょう。

こういったKOLの影響力のおかげで、商品やサービスの認知度を急激に高めることもできます。KOLのSNS投稿をきっかけにして、企業の商品ページを見てもらい、さらに購買意欲を高めてもらうPR方法も有効です。

海外展開へのハードルが低い

一般的に、企業が商品やサービスの海外展開を狙うためには、多くの時間や費用をかけて準備をしっかり行う必要があります。準備から実行、適宜行う軌道修正などを考えると、海外展開のハードルは高いと言えるでしょう。
しかし、海外のKOLを起用してPRを行うと、日本メーカー製の商品やサービスであっても認知拡大や販売促進を効率的に行うことができるでしょう。一般的な海外展開よりも手軽にコストをかけずに行えるはずです。

KOLを起用するデメリット

次に、KOLを起用するデメリットについて触れましょう。主に3つのデメリットが考えられます。

  • ・起用コストが高い
  • ・必ずしも効果の持続性が高いとは限らない
  • ・期待通りのPR内容にならないこともある

起用コストが高い

フォロワー数が多く、特に影響力が高いKOLに依頼する場合、起用コストは非常に多額になり、例えば1回のライブ配信で数百万円の料金がかかることもあります。
もちろん、影響力が高いKOLに依頼した方が大きな効果が期待できますが、マイクロKOLと呼ばれる、トップKOLと比べると影響力が低いKOL起用から始めて、狙った効果を得られるか試す企業もいます。

必ずしも効果の持続性が高いとは限らない

KOLを起用するPRは、一時的な効果しか得られないことも少なくありません。KOLの主な活動場所であるSNSは日々新しい情報が大量に発信されているため、長期間効果を発揮し続けることは難しいでしょう。
そのため、テレビCMやインターネット広告など、他のPR方法と併用して行うことも検討するとよいでしょう。

期待通りのPR内容にならないこともある

KOLマーケティングは、ディレクションするのが難しく、期待通りのPR内容にならないこともあります
企業側が、起用するKOLに商品紹介を行っても、KOLの情報発信内容が少しずれており、企業が想定していたものとは違った形にされてしまうこともあります。
とはいえ、企業がKOLに依頼する内容を具体的に決めてPR内容を的確にディレクションしても、KOLの良さを活かせないこともあるでしょう。また、そもそも決められた台本通りに発信することをKOLが嫌って依頼を引き受けてくれないことも考えられます。

商品やサービスの魅力を十分に伝えるためには、KOLと念入りに打ち合わせを行うとよいでしょう。PRしたいポイントはしっかり共有する必要があります。

中国でKOLが認知されて人気な理由

中国でKOLマーケティングが支持されている理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • ・「金盾(きんじゅん)」というグレート・ファイアウォールがあるから
  • ・「圏子(チェンツ)」内での口コミが重要視されているから

それぞれについて詳しく解説しましょう。

「金盾(きんじゅん)」というグレート・ファイアウォールがあるから

中国で商品やサービスを売る際に意識しなければいけないことのひとつが、中国政府によるインターネット上での表現規制です。
もっとも有名なのが「金盾(きんじゅん)」という、いわゆる「グレート・ファイアウォール」と呼ばれている、中国ならではのインターネット検閲システムです。
インターネット検閲システムの対象は、中国の国民および民間企業で、監視した上で時には接続規制や遮断も実施されています。

そのため、中国国民の中には、マスメディアや広告などが発信する内容の透明性が気になり、鵜呑みにできないという方もいて、その分信頼性の高いKOLの情報発信が注目されています。

「圏子(チェンツ)」内での口コミが重要視されているから

「圏子(チェンツ)」とは、同じ地域や、ライフスタイルや趣味などを共有する人々から構成されるコミュニティのことで、中国人コミュニティを理解する上で重要なものです。
圏子においては、助け合い共存していくことが重要視されており、お互いの利益を優先させることも少なくありません。

中国政府による厳しいインターネット規制における不確実な情報よりも、信頼できる圏子の中での情報が信用されることも多くあり、圏子の中での口コミが重要視されています。
それらの文化特性が、そのままインターネット上で展開され、KOLの影響力が商品やサービスの認知拡大や販売促進につながっていると考えられています。

中国の人気KOL紹介

日本の企業が採用しやすい、人気KOLを3人紹介しましょう。

  • ・林萍在日本(リンピンザイリーベン)
  • ・日本零君(ニホンレイクン)
  • ・七日野鬼(ナノカノオニ)

それぞれどういった専門性を持つか、チェックしてみてください。

林萍在日本(リンピンザイリーベン)

「林萍在日本(リンピンザイリーベン)」は、数多くいるKOLの中でもトップクラスの人気があります。
2010年にWeibo(中国最大級のSNS)アカウントを開設して以来、日本に関するあらゆる情報を配信してきました。特に注目されているのは、旅行やグルメ、コスメなどです。過去には、通信機器会社やホテルチェーン会社、お菓子メーカーなどのインバウンドプロモーションを行っています。
NHKや、Yahoo!ニュースなどでも取り上げられているKOLのため、信頼性はひときわ高いと認知されているでしょう。

日本零君(ニホンレイクン)

「七日野鬼(ナノカノオニ)」は、日本のアニメや娯楽、グルメ、豆知識や歴史、観光地などについての情報をWeiboを通じて発信しているKOLです。
特徴は、いいねやシェアが他のKOLより多い傾向にあるところで、バズらせるコンテンツづくりに定評があります。過去には、化粧品や着圧ソックスなどのプロモーションを行っています。

七日野鬼(ナノカノオニ)

「七日野鬼(ナノカノオニ)」は、日本旅行に特化した専門ブロガーです。日本各地を巡って、中国ではまだ知られていない日本の観光地情報や、日本旅行を楽しむための情報などを発信しています。中国人観光客を招きたい地方自治体にぴったりのKOLです。
中国大手旅行攻略Webサイト「MAFENGWO(马蜂窝)」の公式認証も受けているため、情報の信頼性は高いとされています。

まとめ

本記事では、KOLとインフルエンサーとの違いや起用するメリット・デメリット、中国で人気な理由などについて解説しました。
中国で商品やサービスを売るなら、ぜひKOLの起用を検討してみてください。ただ、KOLやインフルエンサーを起用したプロモーションを行ったことがなく、どれだけの反響があるのか試したい方もいるかもしれません。

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