近年、従来の商品やモノのスペックを重視する「モノ」から、商品やモノのもつストーリーやライフスタイルとの相性を重視する「コト」消費へと人々の購買行動は変化しています。
さらに情報収集の上ではマスメディアが告知するCMなどよりも実際の利用者の口コミやインフルエンサーのレビューなどを参考に消費選択をする人が増えています。これらの口コミやレビューを発信する場としてSNSは大いに活用されており、企業にとっても新たな集客の場として活用されています。
今回は、自社のSNS集客を強化したい、SNS毎の特性を理解して効率的に集客したいとお考えの方へSNS集客を行う際に考えておきたいことや媒体別の特性、事例等をご紹介します。
目次
集客でSNSを利用する目的と方針
SNS集客を始める際に、まず「SNSで集客をする目的」と「SNS集客の方針」を明確にすることが大切です。
集客と一言でいってもその方法は様々です。例えば、店舗への集客を増やすことが目的な場合、SNSで告知しても実際に広告を見た人が店舗に足を運んでくれるか分からないだけでなくすぐに来てくれるかも分かりません。それよりも店舗前の道でクーポン券を配布したり店舗のあるエリアに街頭広告を出す方が集客につながる可能性があります。
このように自社の狙いたいターゲットによって相性の良い集客方法は異なるため、まずは「SNSで集客する目的は何か」を明確にしましょう。目的を明確にすることで間違った手法にブレることなく運用をすることが出来ます。
またSNSを始める前に「SNS集客の方針」を決めておくことも大切です。
方針としてターゲット(どういう人に)やコンセプト(何を届けたいのか)を決めておくことで効率的に集客が出来るだけでなく改善のプロセスを回しやすくなります。
例えば、10代~20代の女性向けの化粧品であればユーザー層が20代~40代のTwitterを使うよりもユーザー層10~20代のTikTokやInstagramで集客を行う方が効果的でしょう。
このようにターゲットは年齢や性別によっても相性の良いSNSは変わりますし、コンセプトも自社商品やサービスをどう捉えてほしいのかという点が明確でないとクリエイティブや見せ方に統一感が出ず情報を受け取る人たちに興味・関心を抱かせるのが難しくなってしまいます。
より効果的にSNS集客を行うためにもSNSで集客をする目的と方針はしっかり決めておきましょう。
SNS媒体別の特性を学ぶ
SNSはそれぞれ特徴が異なります。今回は代表的な6つのSNSの特徴をご紹介します。
20代~40代の利用者が多く、いいねやリツイート、引用リツイートといった拡散機能でフォロワーにツイートを拡散できるため拡散力と情報伝達のスピードが速いのが特徴です。
匿名で複数のアカウントを保有しているユーザーも多く情報発信の手軽さも影響しています。情報伝達のスピードがはやいのでどのSNSよりもトレンドやニュースの鮮度は高いでしょう。
日本国内には4,500万人がアクティブユーザーとして存在し全世界のアクティブユーザー数は3億3,000万人にも及びます。(2021年10月現在)*
Instagramは他のSNSと比べて写真や動画によるビジュアル投稿に特化したSNSのため情緒に訴えかけることが可能です。
24時間で投稿が消えるストーリー機能があることからアクティブユーザー数の数が多いのも特徴の1つです。主な利用者層は20代~30代の女性となっています。
商品購入前や目的地への訪問前に情報収集するツールとして使われていることが多いため、特にBtoCビジネスで店舗やモノ・サービスを展開している企業と相性が良いでしょう。
視覚にアプローチするため、企業のブランディングにも向いています。
日本国内に2,600万人のアクティブユーザー(2021年10月現在)*を有するFacebookは他のSNSと比べ40代~50代の利用が多いことが特徴です。
Facebookは実名登録であることや詳細なプロフィールが設定できることからビジネスシーンでのコミュニケーション手段として使われたり投稿内容も告知など日常的なつぶやきではなくビジネス向けの内容が多くなっています。
そのためBtoBビジネスを行っている企業は集客の場として活用できるでしょう。
・TikTok
10代~20代が主な利用者層となっているTikTokはショートムービーがメインのSNSです。日本国内のアクティブユーザー数は950万人(2021年11月現在)となっています。
ユーザーが自身で簡単にショートムービーを作ることができるため、トレンドが生まれやすいSNSとなっています。また若年層が多いためTikTokで流行ったものは同じ利用者層を持つInstagramやTwitterで拡散されることも多く高い拡散力や話題性をもつSNSです。
・LINE
コミュニケーションツールとしてもはや日常的なツールになっているLINEの利用者層は年齢・性別で大差ありません。LINEの日本国内のアクティブユーザー数は8,900万人(2021年10月現在)*と国内最大数です。
LINEには公式アカウントという機能があり、例えば企業の高s機アカウントと友達になるとその人に向けて企業はキャンペーン情報や予約内容のリマインド、新作情報など情報提供をすることが出来るようになります。
クーポンも発行することが出来るのでクーポンをトリガーにリアル店舗への集客を行うことも出来ます。
・YouTube
LINE同様幅広い利用者層を有するYouTubeは動画コンテンツがメインのSNSです。
YouTubeの利用者層は特に40代が多く、日本国内のアクティブユーザー数は6,500万人(2021年10月現在)*とマスメディアと呼べるほどの数になっています。
YouTubeでは自身のチャンネルを開設してファンを囲い込むことができるため、企業公式アカウントを運営している企業も増えています。YouTube動画は2分~10分が平均的な動画の長さで、尚且つ情報量が多い動画のため他のSNSよりもより人々に商品やサービスの特徴を発信することが出来ます。
インフルエンサーから学ぶInstagram集客のコツ
飲食店や小売など多くのお店ではInstagramを集客ツールとして活用しています。今回Instagramを例に情報発信でユーザーに大きな影響を与えるインフルエンサーがどのように集客を行っているのか以下6つの観点から工夫している点をみていきましょう。
1.投稿画像
投稿する画像の加工や編集のルールは独自の統一感を出すように工夫することによって、見ただけで特定のインフルエンサーや商品を連想させるようなブランディングを行えます。
2.投稿時間帯
毎回決まった時間帯に投稿することでばらばらの時間帯に投稿するよりも視聴者が時間を覚えやすくなるので、投稿時間にスタンバイしてくれたり集まってくれることで視聴率が上がることが期待できます。
3.投稿頻度
月・水・金など曜日を固定して投稿する人もいますが、曜日によっては仕事でSNSを見れないという人などもいるため毎日投稿の方がリーチする人が増えるので認知の獲得に繋がります。
4.キャプションの文字ルール
テキストスタイルやサイズ、色など雰囲気に統一感を出すことで視聴者への印象付けがしやすくなり記憶してもらいやすくなります。
5.ハッシュタグの付け方
Instagramではハッシュタグは検索ツールとなっているので、投稿に関連するキーワードや検索にかかりやすいキーワード(投稿数が多いものやトレンドのもの)は設定しておくことでリーチアップに繋がります。
6.情報量の多さ
投稿当たりの情報量を多くすることで次の投稿も見たくなるように工夫しています。例えば、投稿の最後にオチを入れたり、背景や着る物をこだわることによってユーザーの興味・関心を促します。
事例紹介
実際にSNSを活用した集客の事例をみてみましょう。
スターバックス
スターバックスはうまくSNSを活用して集客している代表的な企業です。スターバックスでは代替1ヶ月に1新作を発表していますが、新作の発表をTwitterやInstagramで行っています。レギュラーメニューの投稿だけでなく新作を投稿することで、日常的にスターバックスに通っているお客様への購買意欲促進に繋がるだけでなく、日常的にはスターバックスに行かない人へのワンショット来店の促進にも役立っています。
また、新作投稿の時は、新作の写真だけを投稿することで商品認知を高めるだけでなくドリンクの特徴がすぐわかるような背景にしたり、商品名をハッシュタグにすることで検索からの集客や拡散を獲得しています。
サントリーのSNS集客施策
大手飲料メーカーであるサントリーはTwitter、Facebook、InstagramをSNS毎のユーザー属性に合わせてうまく訴求方法を変えています。
Twitterでは拡散力の高いリツイート機能を活かしてリツイートするだけで商品が当たるキャンペーンを実施しています。また、投稿内容もカジュアルな会話のようなやり取りが主流のTwitterの特色に合わせて絵文字を使ったりフランクな言葉使いで親しみやすい内容にしています。
一方で他SNSと比べるとビジネス色の強いFacebookでは文章も比較的長く、商品の特徴などを細かく説明して商品理解が深まる内容を発信しています。
若者が多く利用しビジュアルメインのInstagramでは主に女性層をターゲットとし、商品そのものだけの写真ではなく、商品の周りにテキストやイラストを追加したり、思わず真似したくなるような商品アレンジを投稿することで一目で目を引くような内容になっています。
まとめ
SNS集客を行う上で目的や方針をもってそれに合ったSNS選び、コンテンツ作りはとても重要です。また、SNSでより集客するためのインフルエンサーの起用はターゲット層の集客に対して有効な手法ですが、起用の仕方やインフルエンサーの特徴を活かすことは簡単ではありません。
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