Instagram(インスタグラム)には、ビジネス利用に特化した企業向けのツール「Instagram for Business」があります。Instagramのビジネスアカウントを運用することにより、消費者との接点を確保できたり、高いブランディング効果が得られたりなど、さまざまなメリットが期待できます。
とはいえ、実際にInstagramを利用していない方からすると、運用のメリットやイメージがイマイチよくわかりませんよね。そこで、今回はInstagramのビジネス利用のメリットや始め方、そして実際の活用事例を紹介します。
目次
Instagram(インスタグラム)のビジネスアカウントとは
Instagram(インスタグラム)におけるビジネスアカウントとは、その名の通り「企業・ビジネスコミュニティ向けのアカウント」のことです。ビジネスアカウントでは、ビジネスで役立つさまざまなツールを無料で利用することができます。
プロフィール設定から「ビジネスアカウント」に切り替えることで、誰でもその場で利用を開始できます。利用に際して、審査や必要な条件などはありません。企業がInstagramを利用する際は、この「ビジネスアカウント」を利用するのが基本となります。
ビジネスアカウントは、2016年8月に日本に導入されて以来、たくさんの企業によって活用されています。
企業がInstagram(インスタグラム)ビジネスアカウントを利用するメリット
多くの企業がInstagram(インスタグラム)を活用している背景には、どのようなメリットがあるのでしょうか?Instagramにてビジネスアカウントを運用することの主なメリットは次の3つです。
- ・消費者との接点を確保できる
- ・ブランディングができる
- ・費用対効果が高い
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
消費者との接点を確保できる
企業がInstagramを活用すると、消費者との接点を確保できるようになります。中には、「Instagramは友人や知り合いの近況をチェックする場所」だと思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際には多くのユーザーがビジネスアカウントをフォローして、最新情報をチェックしているのです。2019年のInstagram社内データによると、Instagram利用者のうちビジネスアカウントをフォローしている割合は「90%」にも及んでいることが明らかになっています。
そのため、ビジネスアカウントを開設・運用することで、一般ユーザー(消費者)とつながりを築くことができます。さらに、Instagramでは、企業が一方的に情報を発信するだけでなく、消費者とメッセージでやり取りをしたり、アンケート機能で消費者のリアルな声を募集したりなど、気軽にコミュニケーションを取ることも可能です。
ブランディングができる
企業がInstagramにてビジネスアカウントを運用することの2つ目のメリットは、効果的なブランディングができることです。Instagramは「写真・動画>文字」という視覚情報が中心のSNSであるため、投稿を通して自社のイメージや世界観を伝えやすいのです。
自社商品やサービスに関する写真を投稿することで、「この製品といえば、この会社」「このカラーといえば、あの会社!」という意識を消費者に根付かせることができます。多くのユーザーが利用しているInstagramは、ブランディングをする場所として最適です。
費用対効果が高い
メリット3つ目は、費用対効果が高いことです。というのも、Instagramのビジネスアカウントは無料で運用することができるのです。広告を配信したり、インフルエンサーにPRを依頼したりする場合を除いて、基本的に費用は一切かかりません。
Instagram内で自社製品を販売できる「ショッピング機能」や投稿の分析ができる「インサイト機能」などといったビジネス向けの機能もすべて無料で使うことができます(ショッピング機能とインサイト機能の詳細については、記事の後半で後述しています)。
そのため、Instagramは運用する工数と手間こそかかりますが、費用をかけず認知拡大・ブランディングといった企業にとって嬉しいメリットを享受できます。従来の広告出稿やブログ運営などと比べて、より高い費用対効果が期待できます。
Instagram for Businessの始め方
続いて、「Instagram for Business」を始める方法を紹介します。条件や審査などは一切なく、誰でも以下の3つのステップで始めることができますよ。
アカウントを登録する
まず、ビジネスアカウントを作成するには、Instagramへのアカウント登録が必要です。スマホアプリまたはPCから、新規アカウントを作成しましょう。ここでは電話番号またはメールアドレス、名前、パスワード、ユーザーネームの設定を行います。
プロアカウントに切り替える
アカウントを作成したら、プロフィール画面右上にあるメニューバーより設定画面を開き、アカウントを「プロアカウント」に切り替えます。プロアカウントには、「クリエイター」と「ビジネス」の2種類があるので、ビジネスを選択しましょう。
アカウントの各種設定を行う
これでInstagram for Businessを開始する準備は整いました。あとは、ビジネス情報やプロフィールなど、各項目の設定を行いましょう。
Instagram for Businessの活用事例
ここまでで、企業がInstagram(インスタグラム)を活用するメリットや実際の始め方について紹介しました。そこで次に、実際にInstagram for Businessを活用している企業の成功事例を4つ紹介します。
「具体的な運用イメージが湧かない」という方は、ぜひ事例から運用方法を学びましょう。ここでは、それぞれジャンルの異なる次の4つの企業のInstagram活用事例を見ていきましょう。
- ・FrancFranc
- ・味の素株式会社
- ・グレイル
- ・タリーズコーヒージャパン
Franc Franc
家具やインテリア雑貨の販売を行うFrancFranc(フランフラン)は、ビジネスアカウントの活用が上手な企業の一つです。
FrancFrancの公式アカウントでは、ショッピング機能を活用し、新作の商品の紹介を行っています。ただ商品画像をアップするのではなく、インテリアやコーディネート、カバンの中身といったおしゃれな画像の一部として紹介しており、Insatagramの特性を生かした「商品の魅せ方」がとても参考になる事例です。
味の素株式会社
続いて紹介するのは、味の素株式会社のInstagram活用事例です。Instagramでは、自社製品を使ったレシピや「食」に関する豆知識・お役立ち情報が発信されています。
自社製品をただ紹介するだけだと、ビジネス感が強くなってしまいフォロワー数の伸び悩みが懸念されます。その懸念ポイントを味の素株式会社は、自社製品をレシピの一部としてさりげなく紹介することでうまく回避していると言えます。
「商品の押し売り」ではなく、しっかりとユーザーに役立つ情報を発信していることが、フォロワーの獲得につながっているのでしょう。Instagramを活用する際は、こちらの事例を参考に、「どのような発信をすれば、ユーザーが興味を持ってくれるか」を考えて運用していくといいでしょう。
グレイル
次に、レディースファッションの通販サイト「グレイル(GRL)」のInstagram活用事例を見ていきましょう。
グレイルのビジネスアカウントの特徴は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を積極的に活用しているところです。UGCとは、一般ユーザーが作成・投稿したポストのことを指しており、企業が作成する投稿と比べて信頼性が高いという特徴があります。
グレイルの投稿を見てみると、自社画像を使った投稿と、UGCのリポストが交互にアップされています。特に洋服や装飾品は、「実際に消費者が着用している写真を参考にしたい」というニーズが大きいため、グレイルの投稿はそんな一般ユーザーのニーズにしっかり答えていると言えます。
タリーズコーヒージャパン
最後に紹介するのは、タリーズコーヒージャパンのInstagram活用事例です。タリーズコーヒージャパンは、Instagramを通して、新作ドリンクやフードをおしゃれでハイセンスな写真とともに紹介しています。
また、Instagramのストーリーズでは、「質問スタンプ」や「アンケート機能」を活用して、フォロワー参加型のコンテンツも積極的に投稿しているのが見てとれます。新作のドリンクの写真とともに、「どれが飲んでみたい?番号で答えてみて」「試してみたかったらスライドしてね」などといったコメントが記載されています。
Instagramを活用する際は、通常投稿だけでなく、フォロワーと交流するためのストーリーズも積極的に活用していくと良いでしょう。
企業アカウントが利用すべきInstagram(インスタグラム)の機能
最後に、Instagram for Businessで利用可能な3つの便利機能について紹介します。
- ・広告出稿機能
- ・ショッピング機能
- ・インサイト機能
広告出稿機能
Instagramでは、過去にあげた投稿を「広告」として出稿し宣伝することが可能です。
Instagramの広告機能は、Facebook社の膨大なデータを利用するため、精度の高いターゲティングができます。年齢や性別、地域といった属性によるターゲティングはもちろんのこと、興味・関心、既存顧客に似た類似オーディエンスなどの高度なターゲティングも可能です。
広告機能を利用することにより、さらに高い認知拡大や売り上げアップ、フォロワー獲得などの効果が得られるようになります。ビジネスアカウントを運用するなら、ぜひとも活用していくべき機能の一つです。
ショッピング機能
ビジネスアカウント向け便利機能の2つ目は、「ショッピング機能」です。Instagramショッピングを利用すれば、投稿に自社製品をタグ付けし、アプリ内で商品を販売できるようになります。
自社商品に関する投稿を目にしたユーザーが、Instagramからワンタップで商品の詳細を確認し、実際に購入のアクションを取ることができるため、売り上げの向上が見込めます。
最近では、Instagramを利用して「欲しいもの」を探したり、気になっている商品の情報を集めたりするユーザーも増えているので、ショッピング機能はぜひとも活用したいツールの一つです。
ただし、Instagramのショッピング機能は「有形商品」を販売するビジネスのみ利用が可能です。サービスのみ販売している企業は利用できませんのでご注意ください。
インサイト機能
インサイト機能とは、投稿や広告のパフォーマンスを無料で分析できる機能のことです。Instagram公式より提供されている機能なので、Instagramアプリ内でサクッと自社の投稿のパフォーマンスを確認できるのが魅力です。
各投稿におけるインプレッションやフォロー数、インタラクション数から、フォロワー数の増加や推移までさまざまな指標をチェックして、今後の運営に役立てることができます。インサイト機能は、ビジネスアカウントを運用するなら、必ず利用したいツールの一つです。
まとめ
Instagram(インスタグラム)のビジネス利用におすすめの「Instagram for Business」の概要やメリット、活用事例を紹介しました。
ビジネス利用に特化した「ビジネスアカウント」があるInstagramは、導入することで高い効果が期待できます。無料で利用できるほか、低コストで広告を出稿することもできるため、費用を抑えて自社に合った運用をすることが可能です。
Instagramをビジネス利用するか迷っている方は、ぜひこれを機に「Instagram for Business」を導入してみてはいかがでしょうか?
当社GROVEでは、お客様の目的に合わせてInstagramマーケティングに関するノウハウやハウツーを提供しています。Instagramのビジネス利用を検討している方や、なかなか成果があがらずに悩んでいるという方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。