スマートフォンやSNSが、私達の生活に浸透する時代。リアルタイムで双方向性のコミュニケーションを図り、商品やサービスの売上につなげるマーケティングが注目されています。
本記事では「リアルタイムマーケティング」の概要や特徴、メリットなどを解説します。
目次
リアルタイムマーケティングとは
リアルタイムマーケティングとは、顧客がいま欲しいものを瞬時に把握し、タイミング良く情報を提供することでコミュニケーションを図り、広告効果を最大化するマーケティング手法のことです。
リアルマーケティングという概念は、1990年代にアメリカのレジス・マッケンナ氏が提唱しています。その後、スマートフォンやSNSの普及により、リアルタイムでの情報把握および提供、コミュニケーションが容易になりました。
顧客がいま欲しいものを瞬時に把握できると、購買意欲を刺激するアプローチを行え、売上につなげることができます。大きな成果を得られるチャンスとして様々な企業がリアルタイムマーケティングに興味を持っています。
リアルタイムマーケティングの具体的な特徴
リアルタイムマーケティングの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- ・チャット形式でのコミュニケーション
- ・パーソナライズされた情報の提供
- ・アクティブサポート
それぞれについて詳しく解説しましょう。
チャット形式でのコミュニケーション
チャットボットを活用し、サポートデスクとリアルタイムでコミュニケーションをとれるようにすることができます。
顧客は、商品やサービスに関する疑問や不安を質問することで解決し、購入へと促すことができるのです。チャットボットに寄せられた疑問や不安の内容を分析することで、「よくある質問」として事前にWebサイトに記載しておくこともできますし、分析結果を新商品開発に活かすこともできるでしょう。
パーソナライズされた情報の提供
Webサイト訪問ユーザーの行動情報から、いま必要だと思われる情報をパーソナライズしてリアルタイムに表示する手法もあります。
例えば、商品の機能性について書かれたページを読んでいる時間が長いため、機能性をしっかり確かめていると判断し、使用効果が分かる動画をポップアップ表示させる、といったことが挙げられます。
こういった行動情報も、次回のプロモーション活動や、新商品開発アイデアの参考になるでしょう。
アクティブサポート
SNS上のコメントをリアルタイムで分析して、企業側からアプローチする、アクティブサポートの側面も持っています。
アクティブサポートとは、顧客がカスタマーサービスに問い合わせてくるのを待つ従来型のサポート(パッシブサポート)ではなく、企業側がユーザーの不満や問題を発見し、積極的にサポートしていく手法のことです。
例えば、SNS上で商品やサービスに対して不満や悩み、意見を述べているユーザーを見つけ、サポートしていくといった取り組みがあります。
リアルタイムマーケティングのメリット
リアルタイムマーケティングのメリットとしては、以下が挙げられます。
- ・顧客との距離が縮まる
- ・新規顧客を獲得できるチャンスがある
- ・精度の高いターゲティングができる
それぞれについて詳しく解説しましょう。
顧客との距離が縮まる
リアルタイムマーケティングは、顧客とリアルタイムでコミュニケーションを図ることができるため、心理的距離が縮まります。
例えば、SNSを通して双方向性のコミュニケーションを行うことができ、情報を受け取った顧客は商品やサービスを即時購入することもあるでしょう。
具体的には、古着屋がInstagramのアカウントをつくり、入荷した商品紹介をライブ配信するといった手法があります。店員が商品を紹介するなかで気になることがあれば、顧客はコメントにて質問することができ、疑問や不安が解消されれば、そのままコメントにて購入意思を伝えることもできます。
その後の金銭の受け渡しや郵送先の確認などは、InstagramのDM(ダイレクトメール)で行えば問題ありません。
決まった曜日や日時にライブ配信をするのもよいですし、あらかじめInstagram投稿にてライブ配信を告知するのも効果的です。そのライブ配信を見逃さないように、古着屋のInstagramアカウントをフォローするよう促すこともできるでしょう。
頻繁にライブ配信に出てくる古着屋スタッフに愛着が湧くこともありますし、古着と親和性の高いインフルエンサーにゲスト出演してもらい、注目度を高めることもできます。
新規顧客を獲得できるチャンスがある
SNSよりも以前からあるリアルタイムマーケティングのひとつとして、テレビショッピングがあります。
知名度やカリスマ性があるタレントを起用して、どのくらい売れているかといった情報をリアルタイムにテロップでテレビに流すことにより、視聴者の購買意欲を刺激し、購入へと促すことができます。例えば、「100個限定販売。いま75個売れました」といったイメージです。
放送される曜日や時間、テレビショッピング前後のテレビ番組の内容などから視聴者層を予想し、ターゲットゾーンに合った商品やサービスを選んでテレビショッピングを行うと効果を最大化することができるでしょう。
自社のことを知らず、店舗に足を運んだり企業Webサイトを閲覧したりしない人にも、テレビを通じて自社商品やサービスをプロモーションすることが可能です。
精度の高いターゲティングができる
テレビを持たないあるいはほとんど視聴しない若者層に向けては、「ライブコマース」というリアルタイムマーケティングが注目されています。
ライブコマースとは、「ショッピング」と「ライブ配信動画」を掛け合わせたもので、顧客はライブ配信動画を見ながら欲しい商品を見定めて購入することができる仕組みです。
ライブ配信動画を通してまるで実際に店舗にいるかのような感覚でショッピングができ、随時質問をすることで、不安や疑問を取り除いた上で商品購入ができます。
ライブ配信動画にインフルエンサーやタレントを起用し、注目度を集めるのは有効な手段です。時には、顧客がインフルエンサーやタレントと直接コミュニケーションをとることで、大きな盛り上がりをつくることもできます。
ライブコマースについては「【2023年最新】ライブコマースとは?日本・中国での市場規模と企業の成功事例」を参考にしてください。
種類別リアルタイムマーケティングの事例
続いて、リアルタイムマーケティングの事例を紹介します。
ハプニングにユーモアを持って対応:オレオ「停電、大丈夫」
ハプニングを逆手にとって反響を得た事例として、オレオの「停電、大丈夫」があります。オレオは、白色の甘いクリームを2つの丸いチョコレートクッキーで挟んだ、世界的に有名なお菓子です。
2013年に開催されたアメリカのスーパーボウルの試合中に停電が起きました。その際、オレオはtiwtterに「停電、大丈夫」という一言とともに「暗闇の中でもダンクする(オレオをミルクに浸す)」というコメントが添えられたオレオの画像を投稿しました。
この投稿は、大きな反響を得て、多くのリツイートやいいねがされました。オレオのソーシャルチームは、どのようなハプニングにも対応できるように準備していたのです。
リアルタイムマーケティングを行う上で重要なのは、情報収集力と集めた情報に対して咄嗟に対処できるスピード感だということを示した事例です。
鮮度ある投稿で商品認知拡大:日本コカ・コーラ「オリンピックがまた東京にやってくる」
日本では、日本コカ・コーラがリアルタイムマーケティングに成功した事例として取り上げられています。
東京オリンピック開催が決定した直後の午前5時に「オリンピックがまた東京にやってくる」という投稿を写真付きでツイートしました。
リアルタイムの鮮度ある投稿で、商品や企業の認知拡大を果たしました。コカ・コーラは、もともと認知度の高い商品ですが、「何か飲み物を……」という時に想起させる一因になったかもしれません。
まとめ
本記事では、リアルタイムマーケティングの概要や特徴、メリット、事例などを解説しました。
リアルタイムマーケティングは、顧客との距離が縮まり、新規顧客を獲得できるチャンスがあって、精度の高いターゲティングができるという魅力があります。本記事でも、Instagramを活用した商品紹介のライブ配信や、「ショッピング」と「ライブ配信動画」を掛け合わせたライブコマースなどを紹介しました。
これらと、スマートフォンやインフルエンサーとの親和性は非常に高く、組み合わせることで効果を最大化させることができます。
しかし、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングなどは行ったことがない企業も多くあるでしょう。何も知識や経験がない状態で試行錯誤するならば、ぜひ当社GROVEにお問い合わせください。多種多様なインフルエンサーが多数在籍し、プロモーションに強みを持っているため、お気軽にご相談ください。