Instagram広告の出し方は?広告の種類と使用できる画像サイズ

Facbook、Twitter、Instagram(インスタグラム)などの広告媒体としての価値の高まりと連動して、多く企業がSNS広告を活用しています。SNS広告では、広告配信先の高精度なコントロール(ターゲティング)や、広告の効果を定量的に把握ができるメリットがあります。

SNS広告では、それぞれのSNS媒体の特徴を活かした広告配信ができます。SNSの中でも、Instagram(インスタグラム)は主にスマートフォンで撮影した写真を共有するサービスを提供しています。そのため、Instagram広告では高いクオリティの画像や動画を用いた広告配信により、多くのユーザーにアプローチできます。

2012年4月にFacebookがInstagramを買収し、Instagram広告を配信する際にはFacebook広告の管理画面を利用する仕組みになりました。本記事では、企業におけるInstagram広告の配信において、知っておくべき情報を網羅的に解説します。

Instagram広告の出し方

Instagram

まずは、Instagram広告を出す際に必要な作業を説明します。なお、Instagram広告はFacebook広告サービスの一つという認識で記事を読んでください。

ステップ1:FacebookページとInstagramアカウントを連携する

企業でFacebook広告を利用するには、「Facebookページ」と呼ばれる個人ページとは別のページを作成します。Facebookページでは、複数で管理者設定、インサイトと呼ばれるアクセス解析が使えるなど、ビジネス向けの機能が使えます。

Facebook広告は個人アカウントがあれば利用できますが、企業での広告運用を行う際には、企業のFacebookページを作成しておくことが一般的(ほぼ必須)です。

Facebookページのページ設定画面には「Instagram」の項目があり、Instagramアカウントを設定できます。設定しておくと、Instagramアカウントの投稿を簡単にFacebookページにも投稿できるようになります。また、Instagram広告を出す際の操作性も向上します。

FacebookページでInstagramアカウントを連動したときの画面

Facebook for Business(公式ページ)に連携の手順が記載されています。

連携の手順
  • (1)Facebookページを開く
  • (2)トップメニューから[設定]を選択する
  • (3)画面左側の項目から「Instagram」を選択する
  • (4)「アカウントをリンク」を選択する
  • (5)Instagramアカウントのユーザーネームとパスワードを入力して[ログイン]を選択する

ステップ2:ビジネスアカウントを作成する

まず「広告アカウント」から説明します。広告カウントとは、広告を管理するためのアカウントで、広告配信などの機能である広告マネージャを利用するために必要です。もしInstagram広告(Facebook広告)を一人で運営する場合は、広告アカウントを作成しておけばもOKです。

しかしながら、関係者と連携した運用を行う場合はビジネスアカウントを作成して、ビジネスマネージャーを利用します。ビジネスマネージャーでは、複数の広告アカウントやFacebookページを登録できます。企業で運用する際には「ビジネスアカウント」を作成しておきましょう。

ビジネスアカウント

ビジネスアカウントを作成の手順
  • (1)ビジネスマネージャーにアクセスします。次に「アカウント作成」をクリックします。
  • (2)ビジネス及びアカウントの名称(一般的に会社名)、名前、メールアドレスを入力します。
  • (3)ビジネスの詳細(住所やWebサイト)などを入力します。これでビジネスアカウントの設定は完了です。
  • (4)Facebookページを登録します。複数のFacebookページを登録できます。「FB ビジネス設定」にアクセスし、「アカウント>ページ」で設定します。
  • (5)広告アカウントを作成します。複数の広告アカウントを登録できます。「FB ビジネス設定」にアクセスし、「アカウント>広告アカウント」で設定します。
  • (6)Instagramアカウントを登録します。「FB ビジネス設定」にアクセスし、「アカウント>Instagramアカウント」で設定します。
  • (7)広告配信の支払い方法を設定します。「FB ビジネス設定」にアクセスし、「支払い」で設定します。

ステップ3:キャンペーンを作成する

ビジネスアカウントの設定が完了したら、広告配信の準備ができるようになります。Instagram広告はFacebook広告の仕組みを利用して広告配信の準備をします。つまり、Facebook広告と同じ広告配信システムおよび管理画面を利用します。

Facebook広告(Instagram広告)の広告配信は、「キャンペーン」「広告セット」「広告」の三層構造になっており、順に上位(キャンペーン)から設定します。

キャンペーン

広告の目的(ブランド認知、リーチ獲得、コンバージョンなど)の目的を設定します。

広告セット

ターゲティングの設定(Facbook広告やInstagram広告ではオーディエンスと呼びます)、広告の配置、予算の使い方を設定します。次章以降で詳しく説明します。

広告

広告の種類(次章以降で詳しく説明)の選定、静止画や動画、テキストを入力して、広告のコンテンツを設定します。キャンペーン、つまり広告の目的は下記項目から選択します。

分類 キャンペーン ビジネスの目標
認知 ブランドの認知度アップ ビジネス、ブランド、サービスへの認知度向上
リーチ できるだけ多くの利用者に広告を表示
検討 トラフィック 指定したURLにユーザーを誘導
エンゲージメント エンゲージメントしてくれそうなユーザーにリーチ
アプリのインストール アプリストアにユーザーを誘導
動画の再生数アップ 動画を視聴してくれそうなユーザーに動画広告を配信
リード獲得 ビジネスのリードを獲得
メッセージ Messenger、Instagram Directなどでユーザーにアプローチして、ビジネスへの関心を促す
コンバージョン コンバージョン Webサイトでユーザーにアクション(購入、登録など)を促します
カタログ販売 カタログの商品を掲載して売上アップ
来店数の増加 近隣のユーザーに店舗所在地を告知

ステップ4:広告セットを設定する

広告セットでは、ターゲティング設定(オーディエンス設定)、広告の配置、予算の使い方を設定します。ターゲティング設定はInstagram広告における重要な設定項目ですので、後ほど詳しく解説します。

広告の配置では、Facebook広告システムが最適な広告配信先を決める「自動配置」の他、「Facebookのフィード」「Instagramのフィード」「Instagramストーリーズ」などを個別に設定します。Instagramだけに広告配信を行う場合は、「Instagramのフィード」「Instagramストーリーズ」のどちらか(両方)を設定して、他の配信先を設定しないようにします。

次に、予算の使い方を設定します。予算についても後ほど詳しく解説します。

ステップ5:広告を設定する

広告では、広告の種類(後ほど詳しく解説)を指定し、種類に合わせたコンテンツ(画像、動画、テキストなど)を入力します。管理画面上でInstagramフィードなどの配信先毎にどのように表示されるか確認できるので、見やすさ、見栄え、他の投稿との比較などを事前チェックできます。

Instagram広告の入稿バナーサイズ(後ほど詳しく解説)を守って広告コンテンツを作成しましょう。

ここまでで、Instagramにおける広告の出稿方法について解説しました。広告の出し方自体は簡単でも、費用対効果を高めるためにはInstagramマーケティングに関するノウハウが必要です。

当社GROVEでは、SNSマーケティングのノウハウやハウツーを提供することが可能です。Instagramにおける広告出稿や、SNS運用全般でお悩みの方は、ぜひ当社GROVEにお問い合わせください。

Instagram(インスタグラム)広告の種類

Instagram広告では、広告の目的や内容に合わせた広告の種類(表示方法)が提供されています。まずはInstagramでブランドを構築を見て頂き、実際の広告の種類を確認してください。

Instagram広告の種類
  • ・写真広告
  • ・動画広告
  • ・カルーセル広告
  • ・カルーセル広告
  • ・ストーリーズ広告
  • ・コレクション広告
  • ・発見タブ広告

写真広告

Instagramの他の投稿に合わせて、正方形、横型の写真に対応しています。もっともシンプルな広告です。ユーザーの投稿と似た広告を配信できるため、ユーザーのタイムラインにも馴染みやすいです。

動画広告

Instagram(インスタグラム)を始め、各SNSでは動画の投稿が増加しています。動画を利用することにより、写真広告以上に多くの情報を伝えることができます。

Instagram(インスタグラム)ではm写真同様に動画でも正方形、横型のフォーマットを採用しており、他の投稿に溶け込んで広告を配信できます。

カルーセル広告

ユーザーのスワイプ動作で複数の写真と動画を表示できる広告です。ユーザーのタイミングや関心に合わせて多くの情報を伝えることができます。

ストーリーズ広告

スマートフォン全画面(縦長)に画像・動画を表示する広告を配信できます。投稿したストーリーズの合間に挿入される広告で、15秒間、もしくは広告がユーザーに閉じられるまで表示されます。

コレクション広告

複数の写真と動画を表示し、ユーザーが写真や動画をタップするとさらに詳細な情報を提供する広告を配信できます。ユーザーのタイミングや関心に合わせて多くの情報を伝えることができます。

発見タブ広告

発見タブ広告を利用すると、発見タブ(虫眼鏡アイコンのページ)に広告を配信できます。

ユーザーにとって関連性の高い投稿と並んで広告が表示されるため、広告に関心をもってもらえることが期待できます。つまり、広告に関連した情報を求めている新規ユーザーにアプローチできます。

Instagram広告の入稿バナー(画像)サイズ

Insgagram広告には、ストーリーズ広告とフィード広告の2種類の配置先があります。見栄えのよい広告を作成するために、コンテンツの入稿バナーサイズを守ることが大切です。

フィード広告(写真)の場合

解像度 正方形 横型 縦型
最小解像度 600 x 600 600 x 315 600 x 750
最大解像度 1,936 x 1,936

単位) ピクセル

フィード広告(動画)の場合

ファイルサイズ 最大4GB
動画広告の長さ 最大120秒
キャプションの長さ 最大: 2,200文字  (画像の下に表示)
アスペクト比 正方形(1:1)、横型(1.91:1)、縦型(4:5)
最小解像度

(単位:ピクセル)

正方形(600 x 600)、横型(600 x 315)、縦型(600 x 750)

フィード広告(カルーセル広告)の場合

項目 写真 動画
ファイルサイズ 30MB 4GB
キャプションの長さ 最大: 2,200文字   (画像の下に表示)
最小解像度 600 x 600 ピクセル
最大解像度 1,936 x 1,936 ピクセル
動画広告の長さ —- 最大60秒

ストーリーズ広告の場合

ファイルサイズ 最大30MB(画像)、最大4GB(動画)
動画の長さ 最大15秒
解像度 最小 600 x 1067 ピクセル

Instagram広告の3つのターゲティング

Instagram広告などのSNS広告の大きな特徴の一つは、高精度なターゲティングです。Instagram広告(Facebook広告)では、3種類のターゲティング方法を利用できます

3つのターゲティング
  • ・コアオーディエンス
  • ・カスタムオーディエンス
  • ・類似オーディエンス

コアオーディエンス

Facebook広告の管理画面(広告マネージャ)の「広告セット」設定時に、ターゲット設定(オーディエンス設定)を行えます。具体的には下記項目について、広告の配信先にマッチした条件を設定できます。

設定できる条件
  • ・地域
  • ・年齢
  • ・性別
  • ・言語
  • ・詳細ターゲット設定(特定のユーザーデータ、興味・関心、行動など)
  • ・つながり(Facebookページ、アプリ、イベントとつながりを持ったユーザーの設定)

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスとは、Instagram(Facebook)ユーザーの中から、広告配信先を選定する機能です。具体的には、企業で管理している顧客の名前やメールアドレス等を広告システムにアップロードして、Instagram広告(Facebook広告)の配信先に指定します。

既存顧客のため、高い確率でユーザーの反応を得る事ができます。なお、アップロードした情報は元に戻せない形の暗号化処理が施されます。

類似オーディエンス

既存のオーディエンス設定と似た傾向を持ち、広告に関心をもってくれる可能性のある新規ユーザーに広告を配信する機能です。Instagram(Facebook)が持つユーザー情報を元に判断され、高精度な広告配信先の拡大が可能です。

疑似オーディエンスでは、配信先拡大の程度をパーセントで指定できます。まずは1%など小さな設定から始めることをおすすめします。

Instagram(インスタグラム)広告でかかる費用と予算設定

Instagram広告は有料サービスですので、広告配信には費用が発生します。CPA(Cost per Acquisition, 顧客獲得単価)など、広告の費用対効果を高めるためには基礎知識とノウハウの蓄積が必要です。Instagram広告(Facebook広告)は少額から始められるので、まずは体験して感覚を掴むことから始めてみましょう。

課金方法の種類

Instagram広告では、次の課金方式があります。広告の目的などに応じて使い分けます。最終的にはCPAなどの費用対効果を高める課金方法を選択します。

CPM課金

インプレッション数(画面への表示回数)に対して課金される仕組みです。CPMは「Cost Per Mille」の省略形で、Milleとはラテン語で「1,000」の意味を持ちます。つまり、インプレッション数1,000の単位で課金されます。

CPC課金

CPCは「Cost Per Click」の省略形で、クリック数に対して課金される仕組みです。ユーザーのクリックという行動に対して課金されるため、一般的には効率的な課金方法です。

しかしながら、広く認知してもらうにはCPM課金の方が良い場合があり、一概にどちらが良いとは言えません。

CPI課金

CPIは「Cost Per Install」の省略形で、アプリのインストール数に対して課金される仕組みです。

CPV課金

CPVは「Cost Per View」の省略形で、動画再生に対して課金される仕組みです。動画のほぼすべての長さが再生される、または再生数が合計10秒以上になると課金されます。

動画広告の場合、CPM課金かCPV課金のどちらかを選べます。CPM課金では「より多くのユーザーへのアプローチ」に有効です。一方、CPV課金では「動画をしっかり見てもらう」場合に有効です。

予算設定

広告配信においては、予算を効率的に消費しなければなりません。また想定以上に使い過ぎないように管理する必要があります。基本的には次の項目を設定して予算の消費をコントロールします。

  • 予算: 広告に支払う1日ごとの費用の平均額
  • 期間: Instagramで広告を掲載する期間

なお大きな予算、及び長い期間を設定すると多くのユーザーに広告を配信できますが、費用は高くなります。まずは少額から始めて、広告配信の効果を確認しましょう。徐々に広告配信の予算を大きくして、費用対効果を高めるノウハウを蓄積します。

Instagram(インスタグラム)広告の入稿方法と審査

Instagram広告の配信前には必ず広告内容の審査を受け、審査を通過したら実際に配信できます。審査を受けるには、「キャンペーン」「広告セット」「広告」のすべてを設定し、入稿手続きをします。

入稿方法

「広告マネージャを使って配信する方法」と「Instragram(インスタグラム)のアプリから直接広告を配信する方法」があります。企業におけるInstagram広告運用ではビジネスアカウントの利用が多く、広告マネージャからの入稿を行うケースがほとんどです。

なお、Instagram(インスタグラム)のアプリを利用して、スマートフォンからでも入稿できます。操作が簡単で短時間で入稿可能ですが、入稿した広告の再編集ができないなどのデメリットもあります。

広告の審査

Facebook広告の広告ポリシーおよびInstagram(インスタグラム)のコミュニティ規定に反しないかチェックされます。広告作成前にそれぞれの内容を確認しておきましょう。通常、広告は24時間以内に審査されます。

また、Instagram広告(Facebook広告)では、画像の中にテキストが少ない方がユーザーに受け入れられやすいという考え方が採用されています。そのため、広告の審査の際には、画像の面積に占めるテキスト面積の割合がチェックされ、クリエイティブ作成時には20%未満に抑えることが求められます。詳しくは、「広告画像のテキストについて(Facebook for Business ビジネスヘルプセンター)」ご確認してください。

Instagramの広告審査

まとめ

Instagram(インスタグラム)のユーザー数増加に伴い、多く企業がInstagram広告を活用しています。Instagram広告はFacebook広告のシステムを利用して配信する仕組みなので、Instagramユーザーだけでなく、Facebookユーザーを狙った広告配信も可能です。

Instagram広告(Facebook広告)は少額でも始められるので、これから始められる企業担当者の方は、まずは広告配信の一連の作業を体験してみましょう。自社で広告配信を行う場合、マーケティング会社に依頼する場合のどちらでも役に立つ経験ができます。

仕組みや広告配信の手順はすぐに理解できますが、CPAなどの費用対効果を高めるには、経験に基づくノウハウの蓄積が必要です。当社GROVEでは、お客様の目的に合わせたInstagram広告のアドバイスを行っています。Instagram広告を始められる方、高い広告効果を得たいとお考えの方は当社GROVEに問い合わせください。