SNSマーケティングのKPI

SNSは売上に直結しない場合も多く、SNSを運営する意義を求められて悩むマーケティング担当の方も多いのではないでしょうか?SNSをこれから始める、もしくは運用強化していく中でSNS運用担当者として知っておくべきKPIの設計方法について詳しく解説します。
また、SNSマーケティングに関しての定義や進め方などの情報に関しては以下の記事で紹介しています。
SNSマーケティングとは?市場規模と始め方

SNSの運用目的を考える

SNSを運用する上で、何を目的にどんな運用をすればいいのか明確ではないまま始めている方も多いようです。その中でフォロワー数を目標数値に設定して追いかけているSNS担当者の方も多いのではないでしょうか。
SNSマーケティングのKPIを設計する前に、まずはSNSを運用する「目的(=KGI)」を明確にする必要があります。
SNS運用の最終目的(ゴール)を何とみなすかの指標となるのがKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)です。KGIの指標となるのは認知度や売上など様々ですが、自社商品・サービスの課題やフェーズに合わせて設定すると良いでしょう。
例えば、自社商品の売上が30代が40%で10代~20代が10%だとして、SNSの運用で10代~20代の売上を上げたいと考えている場合KGIは「若年層の売上向上」が良いでしょう。

ただし、KGIは数字で表せる目標とすることが大切です。売上であれば、全体の売上の若年層の売上が〇%から〇%に向上したなど、結果の良し悪しを判断できるような目標値を設定しましょう。
また、SNS運用でKGIを設定する重要性の1つとして、KGIによって利用するSNSが変わる可能性があるからです。SNSはツール毎にメインの利用者層が異なるので、例えば40代~50代の認知度向上がKGIになった場合、今まで運用していたInstagramで狙おうと思っても、主要利用者層が20代~30代のInstagramでこの層を狙うのは相性が良くありません。
であれば、FacebookやTwitterといった比較的40代~50代の利用者層が多いSNSでマーケティングを行う方が効率が良いという判断が出来ます。
年齢層だけでなく、SNS毎に配信種類など特徴は様々です。KGIに合わせて利用するSNSの見極めを行いましょう。

KPI設定方法

KGI(目的)を決めたら、その目的達成のために実施すべきことと、今それがどれくらい達成できているかを測る指標が必要です。この指標をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)といいます。
KPIはいわば中間指標なので定期的にチェックするため、各SNSツールですぐに計測できる値を設定すると良いでしょう。
KGIから構成される要素を洗い出し、KPIを設定しますが、このプロセスにおいて有効なツールが「KPIツリー」です。それでは、SNSのKPI設定方法をKPIの見極めに役立つKPIツリーを用いてみていきましょう。
KPIツリーを用いて主に以下の2ステップでKPIを設定します。

①目標のKGIを達成するために影響がある要素を洗い出す
②要素の達成の進捗度を評価するための数値を設定(=KPI)

例えば、KGIに「Instagram経由のECサイトの売上増」を設定したとしましょう。
Instagram経由と設定した際に、以下にInstagramからの自社ECサイトに流入させるかと言うことが重要になります。そうした場合、投稿のインプレッション数をいかに高めるかが重要で、そのインプレッションを増やすためにはフォロワー数や、いかにエンゲージメント率を高めフォロワーのタイムラインに表示されるかなどの要素が重要になってきます。
そのように分解していくとKPIをどこに設定すべきか見えてきます。

このようなKPIツリーで構成する要素を徐々にブレイクダウンするとわかりやすいと思います。
すべてをKPIにしてしまうと、数が多く混乱することもあるため、注力したいKPI項目を決めて定点観測することがうまく運用するコツになります。
例えば投稿内容の質を最初に注力したいとしたら以下のKPI項目に注力して設定するのがオススメです。

・アカウント閲覧数(投稿からのアカウントクリック数)
・フォロワー数
・いいね数
・コメント数
・投稿の保存数

単に商品への関心の高いユーザーを測るだけであればいいね数やアカウント閲覧数のみを見れば良いですが、インスタ経由からどれくらい商品が売れたかを測る場合は遷移先のECサイトのCVRやいいねやコメントよりもより深いアクションである投稿の保存を行っているユーザー数を測ります。
KPIツリーはPDCAを回しやすくなる点がメリットの1つです。KGIが達成できなかった際は、ツリー図のどの地点がうまくいかなかったのか明確になるので課題を洗い出し、改善に繋げていきましょう。

【SNS媒体別】オススメKPI数値項目

SNSは媒体毎に指標が異なります。ここでは、主要なSNSであるTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeの4つの媒体について、その数値項目をご紹介します。これらの指標は注目度や認知度の測定に役立ちます。

●Twitter

Twitterで見るべき主な指標は以下の6つです。Twitterはアナリティクスという機能で効果を測定することができます。

フォロワー数
アカウントをフォローしているユーザー数。情報をキャッチしたいと思っている角度の高いユーザー数、注目度、認知度を測ることができます。
インプレッション数
投稿がユーザーに表示された回数。投稿がユーザーに届いている規模を測ることができます。
いいね数
投稿にいいねした数。ユーザーが投稿に対して興味関心を示している際の反応のため角度の高いユーザー数を測ることができます。
リツイート数
投稿をリツイートした数。拡散したい、同意しているなど投稿内容に興味関心の高い、角度の高いユーザー数を測ることができます。
クリック数
投稿内のメディアやリンク、投稿自体をクリックした数。より深い情報を知りたいと思っているユーザー数を測ることができます。
メンション数
自分のアカウントを投稿に含んでいる数(@で記載)。自分のアカウントについて情報発信をしてくれている関心の高いユーザー数を測ることができます。

●Facebook

Facebookで見るべき主な指標は以下の6つです。Facebookページの管理者、編集者、モデレーター、広告管理者、アナリストの権限のどれかに該当するのであればインサイトという機能で効果を測定することができます。

いいね数
アカウントページにいいねした数。アカウントが発信する情報、アカウント事態への興味関心が高いユーザー数を測ることができます。
リーチ数
ユーザーが投稿を閲覧した数値。ユーザーの認知度や注目度を測ることができます。
・投稿のいいね:投稿にいいねした数。ユーザーが投稿に対して興味関心を示している際の反応のため角度の高いユーザー数を測ることができます。
コメント数
投稿へのコメント数。投稿にコメントしているユーザーは情報に注目している、関心が高い可能性が高いため、注目度・関心の高いユーザー数を測ることができます。
シェア数
投稿をシェアした数。投稿内容に同意しているなど興味関心の高い、角度の高いユーザー数を測ることができます。
クリックの数値
投稿内のメディアやリンク、投稿自体をクリックした数。より深い情報を知りたいと思っているユーザー数を測ることができます。

●Instagram

Instagramで見るべき主な指標は以下の5つです。Instagramはインサイトという機能で効果を測定することができます。

フォロワー数
アカウントをフォローしているユーザー数。情報をキャッチしたいと思っている角度の高いユーザー数、注目度、認知度を測ることができます。
フォロワー属性
性別や年齢といった属性。ターゲットと照らし合わせて狙った属性の人に情報が届いているか確認することが出来ます。
インプレッション数
投稿がユーザーに表示された回数。ユーザーの認知度や注目度を測ることができます。
いいね数
投稿にいいねした数。ユーザーが投稿に対して興味関心を示している際の反応のため角度の高いユーザー数を測ることができます。
コメント数
投稿へのコメント数。投稿にコメントしているユーザーは情報に注目している、関心が高い可能性が高いため、注目度・関心の高いユーザー数を測ることができます。

●YouTube

YouTubeで見るべき主な指標は以下の4つです。YouTubeはYouTubeアナリティクスという機能で効果を測定することができます。

チャンネル登録者数
チャンネルをフォローしているユーザー数。情報をキャッチしたいと思っている角度の高いユーザー数、注目度、認知度を測ることができます。
視聴回数
動画が再生された回数。投稿した内容に興味関心を持ったユーザーの数を測ることができます。
視聴者維持率
動画の再生中に動画がどれくらい視聴されているか分かる指標。(=ユーザーがいつ視聴を止めたかわかる指標でもあります。)発信した動画がターゲットにとって有益だったかを測ることができます。離脱タイミングが早すぎたり、スキップが多い場合は発信情報の内容を見直す必要があるでしょう。
高評価数
ユーザーが投稿に対して高く評価しているという数値。投稿に対してポジティブな評価をしてくれている角度の高いユーザー数を測ることができます。

まとめ

SNSのKPIはSNSの特徴を理解してKGI達成に適したSNSを選定、指標を設定することが重要です。他社がやっているからとなんとなくSNSを始めてみる人も多いかと思いますが、KPI設計をすることで有効なSNS運用が出来ます。
当社では、SNSのアカウント運営による分析や、各KPIの数値を上げるためのインフルエンサーを活用したマーケティングを行っています。お気軽にぜひご相談ください。