現在スマートフォン、SNSの普及とともに通信スピード・容量も進化し、動画関連市場は拡大しつづけています。また、2020年から本格的に始まった「5G」によってさらなる超高速・大容量の通信が可能になることで動画関連市場は大きく拡大していくことが予測されています。
これらの背景により、動画を活用したサービスやマーケティング手法が常に生まれてきています。今回は動画マーケティングについて基本解説からメリットなどをご紹介します。
目次
動画マーケティングとは
「動画マーケティング」とは動画を活用したマーケティング手法のことです。単純に動画を作って配信するのではなく、動画を活用し、売る仕組み自体のことのため、幅広い定義となっています。
例えば、Youtubeの動画が始まる前の動画広告などはイメージしやすいのではないでしょうか。他にも動画自体をコンテンツ化したビジネスのNetflixやInstagramのストーリー機能を運営して自社商品の認知を広めるなども動画マーケティングと言えます。
・進化する動画広告
動画マーケティングと聞いて一番最初に思いつくのは動画を使った広告でしょう。
従来は商品やサービス、企業のブランド力向上を目的としたブランディング広告は街頭ビジョンやテレビCMといったユーザーに一方通行でコンテンツを届ける手法が一般的でした。しかし5G時代に入ってからはYoutubeを始めとしたSNS上で動画を活用したブランディングだけではなく、購買目的とした広告も展開する例が増えてきました。
SNSであれば双方向のアクションが可能なため、動画広告自体のエンゲージメントの良し悪しで広告効率も変化するなど、コンテンツとしての質も広告効果に結びつく仕組みとなっています。
YoutubeではTrueView(トゥルービュー)という広告配信が可能で、このTrueViewではユーザーが最後まで広告を視聴した場合や、画面内のリンクを押した場合のみ料金が発生するというCPCV 課金制という無駄のない動画広告が配信できたりと、オンラインならではの動画広告が存在します。
・ユーザーアクションでシナリオが変わるインタラクティブ動画
インタラクティブ動画とは、視聴者が触れる仕掛けを組み込んだ動画のことです。インタラクティブは双方向といった意味があります。
今まで一方通行に提供していたコンテンツに視聴者が触れる仕掛けをつけられ、今までにない動画ができるようになりました。
例えば、動画内で選択肢が表示され、選択肢を選ぶとそれに沿った動画シナリオが再生されるという仕組みです。
ユーザーの能動的な体験を生み出し発信者とユーザー間で双方向のコミュニケーションが取れることでエンゲージメント向上が期待でき、ユーザー自らアクションすることによってその後のコンバージョンに繋がる効果もあります。
これを活用した自社WEBサイトや広告素材としても活用できることから、今後拡大する分野だと推測されます。
【事例:「Nike Air Max Dia」のコマース動画】
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動画マーケティングの市場規模
動画マーケティングの市場規模は2018年以降右肩上がりの成長を続けており、2018年には1,843億円規模だったのに対し、2021年には3,888億円と2018年に比べて約2倍になっています。2023年には5,065億円規模に上り、2018年に比べると約3倍にまで成長すると言われています。(*3)
5Gの普及で、昨今世界的に競技人口が増加しているeスポーツをはじめとしたクラウドゲームやVR(Virtual Reality:仮想現実)・AR(Augmented Reality:拡張現実)コンテンツの提供が予想されます。
このように、スマートフォンなどのデバイスや通信システムの拡大、それに伴うYouTubeやTikTokといった動画を伴うSNSの更なる拡大により動画マーケティングの市場規模は今後も拡大していくことでしょう。
動画マーケティングが拡大している背景
動画マーケティングが拡大している理由は何でしょう。理由として考えられるのは3つあります。
①SNSの普及
YouTubeやTwitter、Instagram、TikTokといったSNSの普及により動画マーケティング市場がより拡大したことは言うまでもないでしょう。
インプレス総合研究所の調査によると、コロナ禍による外出自粛期間中の過ごし方で最も多かったのは無料の動画視聴(27.5%)(*2)となっており、2020年5月下旬に実施した同調査から「動画共有サービス」「無料の動画配信サービス」「有料の動画配信サービス」などインターネット上の動画の利用が大きく伸びています。
また、普段視聴している動画の種類では、1位の地上波テレビに次いでYouTubeが69.1%(*3)で2位になっています。
このように、SNSで動画コンテンツを消費することは日常的になっています。
②デジタルデバイスの普及
ガラケー時代では動画はデータが大きすぎて視聴するのは容易ではありませんでしたが、スマートフォンやタブレットはスペックの向上や通信システムの発展などにより容易に動画再生をすることが出来ます。
これらのデジタルデバイスの普及により、人々はいつでもどこでも好きな時に動画を配信、視聴が出来るようになりました。
③インターネット環境の変化
インターネットなどの通信インフラの環境が整備されてきたことも、動画マーケティング市場の拡大に影響しています。
というのも、動画は静止画像に比べてデータ容量が大きい為、動画を受信する為には高速で安定的なインターネット環境が必要となります。
大きな転換期は2003年に光回線が登場したことです。光回線は今までの通信インフラと比べて桁違いの速度かつ安定性があったことで動画サービスの拡大に大きく影響を与えました。また、この頃パソコンのスペックが上がったことや、スマートフォンも大容量の通信が可能となりパケット制限が大きくなったことも拡大の後押しとなっています。
動画マーケティングのメリットは?
動画マーケティングを行う主なメリットは以下があります。
・商品、サービスの魅力を伝えやすい
・低コストで拡散ができる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
・商品、サービスの魅力を伝えやすい
動画の特徴は視聴者が受け取る情報量が圧倒的に多いことです。Forrester Researchのジェームス・マッキヴィー博士によると、動画は他のツールと比べると情報量が「写真+テキストの5,000倍、動画情報を文字情報に換算すると約180万単語」と言われています。
また、1分間の動画は一般的なWEBページの3600ページ分の情報量があるとのことです。
動画は写真やテキストよりも圧倒的に情報量が多いことが分かりますね。
どうして動画がこんなにも情報量が多いかというと、「メラビアンの法則」によると、人間はコミュニケーションをとる時に、視覚情報、聴覚情報、言語情報の3つの情報に基づいて印象を決定しているからです。
これらの情報のうち、視覚情報は55%、聴覚情報は38%と93%を占めています。
動画は視覚、聴覚、言語の3つの要素で構成されているため、雑誌やラジオなどの他のツールよりも人の判断に大きな影響を残すことは明白です。
そのため他の作業をしながら見ていたとしてもある程度の情報を獲得することができ、商品の購入やサービス導入の検討をしやすくなります。
・低コストで拡散できる
SNSのプラットフォーム上において動画は拡散されやすい点もメリットの1つです。
動画は多くの情報量を伝えられるため、視聴者に面白い、魅力的だと思って貰いやすいです。視聴者は気に入った動画をTwitterやInstagram、TikTokなどで他の視聴者に共有するためTwitter広告やその他の広告に宣伝費をかけなくても動画1つがバズれば低コストでの宣伝効果が期待できます。
また、動画自体もテレビCMと違って莫大な費用を掛けなくても数十万円で作成、配信することもできるので、従来のオフラインの動画マーケティングよりかなり低コストで施策を実施することができます。
動画マーケティングの会社紹介
動画マーケティングの必要性が上がっている中、動画マーケティングを手がける企業も増えてきています。今回は、代表的な動画マーケティング企業3社をご紹介します。
・GROVE株式会社
当社、GROVE株式会社はYoutubeやInstagram、TikTokなどのSNS上で活躍するインフルエンサーのプロダクションです。
インフルエンサーのマネジメントから動画マーケティングまでを手掛けていて比較的低コストで動画マーケティングを活かした動画作成・提案を行ってくれます。
<主な事業内容>
・インフルエンサーマーケティング事業
・プロダクション事業
・クリエイティブ事業
お問い合わせや見積もりはこちらからお気軽にご連絡ください。
https://grove.tokyo/contactus/contact
・株式会社LOCUS
株式会社LOCUSは動画制作・映像制作会社です。
2010年に設立以来、動画制作は毎年1,000本以上にも上り、そのノウハウからクライアントの要望に合った動画作成をチームで行います。企画から分析まで一気通貫したサービスを受けることが出来るでしょう。
<主な事業内容>
・動画コンサルティング
・動画制作サービス
・YouTubeサービスの運用支援
インタラクティブ動画制作プラットフォーム「MIL(ミル)」
MILは、アクションを促す動画へと変化させる”インタラクティブ動画制作プラットフォーム”です。インタラクティブ動画制作までは無料で利用できるのも特徴です。
<主な事業内容>
・インタラクティブ動画制作
動画マーケティングを始めるにあたっての参考書籍
ここでは、動画マーケティングを勉強したい方におすすめの動画マーケティングに関する本を3冊ご紹介します!
・「お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方」
アン・ハンドリー (著)、 チャールズ・C.チャップマン (著)
動画コンテンツの作り方から、どのように動画マーケティングに活かすかのノウハウが分かる1冊です。マーケティング会社のCOOとオンラインマーケティングコンサルタントであるマーケティングのスペシャリスト2名による著書のため動画マーケティングを行う上でのコンテンツの作り方など分かりやすく解説してあります。
・「動画マーケティングの新常識 最強のYouTube活用術」
渡邉拓(著)
本書はYouTubeの会社を運営している著書による1冊です。そのため、具体例が豊富に紹介されており、読みやすい構成になっています。基本的な企画方法からYouTubeのアルゴリズムについてなどコアな部分まで紹介しています。
・「KPI・目標必達の動画マーケティング 成功の最新メソッド」
村岡 雄史、本橋 へいすけ、後藤 賢司、 染谷 昌利 (著)
本書は、動画の作り方から広め方までについて具体例を用いて実践法を解説しています。様々なSNSの事例が載っているので、初心者にも分かりやすい1冊です。
まとめ
今回は、最近重要性を増している動画マーケティングについてご紹介しました。
動画マーケティングと一口に言っても、その手法は多岐に渡っていることが分かりました。動画マーケティングを行うサービスや目的に合わせて施策を考えていくのが重要ですね。
この記事が、動画マーケティングを行う、または検討しているマーケターの方の参考になれば幸いです。
当社GROVEでは、独自で制作部門を持ち、効果を出す動画制作も行っております。お気軽にお問い合わせください。
*1 出典:第一生命「大人になったらなりたいもの」
*2 出典:株式会社インプレスホールディングス「動画配信ビジネス調査報告書2020」
*3 出典:映像コンテンツの視聴状況調査